360.余計に好きに ページ37
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しばらくそうして抱きしめ合った後、メリオダスは「よし!」と声をあげると私の肩をつかんでパッと体を離した。
「んじゃ、行くか!」
行くか…とは、一体どこへ…?
目をパチパチと何度も瞬きさせていると、メリオダスはニッと笑う。
「ちっとばかし体を動かしにな」
「…あ、そういえばみんなはどこにいるの?」
「修練窟!」
「修練窟?」
そういえば試練の塔の隣にも塔……ってほどでもないか。大きな洞窟?があったもんね。
そっか!みんなは洞窟の方にいるのか…!そこでみんなはみんなで力をつけるために励んでるのだろうか。
体を動かしたいって言ってるメリオダスに、試練を受けた後にまた何かやろうとするなんてハードだなぁ、なんて思う。
…いやいや、それくらいしないとダメだよね。だってこれから大変な戦いになるんだもん。
「A、行くぞ」
「あっ!う、うん!」
差し伸べてくるその手に、躊躇うことなく自身の手を重ねた。
そうしてメリオダスに手を引かれながら試練の塔の隣にある修練窟へ歩いて行ったんだけど、そこでハッとした。
何だかもはや自然の流れみたいな感じになってて違和感なく手を重ねちゃったけど…。
これ、別に手を繋ぐ必要…無いのでは…?
私達が今いる場所から距離も離れてないし、ましてや危険な場所でもないのに。
それでも手を差し出してくれたメリオダスに何だかムズムズすると同時に、安心感でいっぱいになる。
…うう、だから余計に好きになるんだ……!
思わずギュッと手を握る力を強めれば、メリオダスも同じく握り返してくれるものだから、もう色々おかしくなりそう。
さっきの抱擁といい、今といい…。
「ほう…手を繋いで来るとは、本当に仲睦まじいな」
「よっ、マーリン」
「マ、ママママーリン!!」
あれやこれやと考えてたらいつの間にか修練窟に着いていて、手を繋ぐ私達の姿にいち早く気がついたマーリンが感心したようにそう言葉をもらす。
私は慌ててメリオダスの手を勢いよく離した。それはもう光にも負けない速さで。
「これはそーゆう特別な、変な意味じゃなくて!」
「変な意味じゃねーんか?」
「余計なこと言わないで!」
そんな私達に、相変わらずだなと笑みを浮かべながら見てくるマーリンに顔が熱くなったのは言うまでもない。
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きよか。(プロフ) - ななしさん» 和解出来ましたー( ; ; )いやぁ本当に…夢主頑張った…(T-T)続編もうすぐ始まりますので、また楽しみに読んでくだされば嬉しいです♪ (2021年11月2日 0時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - ことみさん» いつもありがとうございます!リズとの出会いのシーンは本当に一番書きたかったシーンだったので、そう言ってもらえて嬉しいです…!もうすぐ続編公開ですので楽しみにしていてください!! (2021年11月2日 0時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 和解できてよかった…!本当に夢主は頑張りましたね。今後の進展もうずうずしながら待ってます!続編よろしくお願いします〜! (2021年10月6日 23時) (レス) @page47 id: 6684c52b13 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 続編も、ドキドキワクワク楽しみにしながら待ってます! (2021年10月4日 16時) (レス) id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 黄昏の歌姫8シリーズお疲れ様でした!どの場面もとっても心に残ったんですが、リズとの出会いの場面が個人的にとっても胸がドキドキした場面でした!まさかの夢主ちゃんとリズが出会って七つの大罪の世界に来た意味を少しでも知れたのが鳥肌モノでした! (2021年10月4日 16時) (レス) @page47 id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きよか。 | 作成日時:2021年5月26日 21時