352.もしもの話 ページ29
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真剣な眼差しで私を見つめるリズに、私は静かに彼女の言葉を待った。
「A、もしこの時…そうだな…。ダナフォールが滅びる前のこの場所に、お前がいたならどうする？」
それは…本当に私が、この場に居合わせていたら…という話だろうか。
…そんなこと、考えもしなかった。
リズの言葉に私は改めて壊滅してしまったダナフォールの街を見渡した。
もし私が元の世界から飛ばされた場所がメリオダスの過去である、この場所だったならどうなってたんだろう。
生きているリズと出会っていたら…。
きっと、私は。
「助ける！！」
思いのほか大きな声が出た。
けど、それくらい気持ちも大きいってことだ。目の前の誰かが死んでしまうと分かって、それを見て見ぬふりなんか出来っこないんだ。
私が強くハッキリとそう言うとリズは目を見開いた。
「未来が変わってしまってもか？」
「そうだとしても、それが誰かを見捨てていい理由にならない！自分の力に自信があるわけじゃないし、私の力なんてたかが知れてるかもしれない。だけど、そんな私でも救える命があるかもしれないでしょ。…だから、助けるよ！」
私は、あなたを助ける。
真っ直ぐに、リズの目を見つめて言った。
迷いなんかない。助けたい、助けなくちゃって。私ならきっと、うんん。絶対そうするはずだから。
するとリズはさっきまでの真剣な表情から一変し、柔らかく微笑んだ。
どこか泣き出しそうだけど、それでも優しくて柔らかい微笑み。
「それを聞いて安心した」
柔らかく笑う彼女のその顔は、私のよく知るあの子とそっくりで。そして、綺麗で。
「本当に、そっくりだ」
「…それは、誰とだ？」
「私の大切な友達もエリザベスって言うの。リズ、あなたによく似てる」
そう言うと、リズは小さく「そうか」と口にする。
似ているからなのか、彼女とは普通に話せるし親近感もわくというか。
本当に不思議な感じ。
「…あ、雨止んでる」
気づけばあれだけ降っていた雨が止んでいて、いつの間にかメリオダスと“リズ”の姿も消えていて。
風の音すらも聞こえない。
今この場には、私とリズだけがいて、耳に届くのは私達の声だけだった。
「A」とリズが私を呼ぶ。
「もう、本当に時間がない」
「…リズ？」
リズが近づき、私の手を取り優しく握った。
エリザベスもよくこうして私の手を握ってくれていたことを思い出した。
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きよか。(プロフ) - ななしさん» 和解出来ましたー（ ; ; ）いやぁ本当に…夢主頑張った…(T-T)続編もうすぐ始まりますので、また楽しみに読んでくだされば嬉しいです♪ (2021年11月2日 0時) (
レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - ことみさん» いつもありがとうございます！リズとの出会いのシーンは本当に一番書きたかったシーンだったので、そう言ってもらえて嬉しいです…！もうすぐ続編公開ですので楽しみにしていてください！！ (2021年11月2日 0時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 和解できてよかった…！本当に夢主は頑張りましたね。今後の進展もうずうずしながら待ってます！続編よろしくお願いします〜！ (2021年10月6日 23時) (レス) @page47 id: 6684c52b13 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 続編も、ドキドキワクワク楽しみにしながら待ってます！ (2021年10月4日 16時) (レス) id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 黄昏の歌姫8シリーズお疲れ様でした！どの場面もとっても心に残ったんですが、リズとの出会いの場面が個人的にとっても胸がドキドキした場面でした！まさかの夢主ちゃんとリズが出会って七つの大罪の世界に来た意味を少しでも知れたのが鳥肌モノでした！ (2021年10月4日 16時) (レス) @page47 id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きよか。
| 作成日時：2021年5月26日 21時
