347.決別 ページ24
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どんなに頑張っても、どんなに努力してもお母さんが私を褒めてくれることはただの一度も無かった。
少しは私の頑張りを見てくれたっていいのに。何度もそう思った。
腹が立って、どうしようもない。
ふわり、と風が吹いて髪の毛が舞う。その風は徐々に強さを増していく。
外でもない場所に風が吹いてるものだから、お母さんは驚いたように辺りを見渡していた。
落ち着け、落ち着け私。
僅かな怒りで魔力を放出してしまっていたようで、心の中で落ち着けと何度も自分自身に言い聞かせる。
そして、お母さんを真っ直ぐに見つめた。
「お母さん、私…お母さんの事が嫌い」
「いきなり何を言い出すのかと思えば」
「ずっと思ってた事だよ。…毎日仕事で忙しくていつも私に完璧を求めようとする。そんなお母さんに凄く腹が立って、凄く嫌いだった」
今まで、私はお母さんの言うことをちゃんとき聞いてきた。反抗することも、文句を言うこともせずに。
こんな風に、“嫌いだ”ってハッキリ言ったこともなかったな。
これまで我慢して耐えてきたこと、全部言うんだ。ちゃんと向き合うんだ。
「すごく、すごくすごく嫌いだった…けど、私に音楽を与えてくれた事、音楽の道を歩ませてくれた事、…それから…ここまで私を育ててくれた事は感謝してる」
「…あなた、どうかしてるんじゃないの？」
眉を寄せながら言うお母さんに私は何も言わずに眉を下げて微笑むと、その瞳が僅かに見開く。
どうかしてても別にいい。今言った言葉に嘘偽りなんか無いから。
気づけば周りはただの真っ白な世界になっていて、何もないその場所には私とお母さんだけだった。
怖いものなんか、もう何もない。
「今こうして自分の歌を好きになれたのは、あの人の…あの人達のおかげなの」
自分の歌に自信が無かった。
自信を持たせてくれたのは、七つの大罪の皆や町で出会った人達。彼らがいたから私は変われた。
自分の歌を、好きになれた。
「だからもう決めたの。あっちで生きていくって。自分勝手でごめんね。…だけど、」
だけど。
「私は、後悔なんてしてない」
その瞬間、真っ白なその世界から眩い光が溢れ出し、お母さんの姿は光に包まれ消えていく。
例え幻だったとしても、私は消えていくお母さんに伝えた。
“ありがとう” …と。
光がおさまり、閉じていた目を開くとそこはさっきまでいた場所ではなかった。
崩壊した建物、倒れている人。降り注ぐ雨。
「どこ、ここ…」
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きよか。(プロフ) - ななしさん» 和解出来ましたー（ ; ; ）いやぁ本当に…夢主頑張った…(T-T)続編もうすぐ始まりますので、また楽しみに読んでくだされば嬉しいです♪ (2021年11月2日 0時) (
レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - ことみさん» いつもありがとうございます！リズとの出会いのシーンは本当に一番書きたかったシーンだったので、そう言ってもらえて嬉しいです…！もうすぐ続編公開ですので楽しみにしていてください！！ (2021年11月2日 0時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 和解できてよかった…！本当に夢主は頑張りましたね。今後の進展もうずうずしながら待ってます！続編よろしくお願いします〜！ (2021年10月6日 23時) (レス) @page47 id: 6684c52b13 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 続編も、ドキドキワクワク楽しみにしながら待ってます！ (2021年10月4日 16時) (レス) id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 黄昏の歌姫8シリーズお疲れ様でした！どの場面もとっても心に残ったんですが、リズとの出会いの場面が個人的にとっても胸がドキドキした場面でした！まさかの夢主ちゃんとリズが出会って七つの大罪の世界に来た意味を少しでも知れたのが鳥肌モノでした！ (2021年10月4日 16時) (レス) @page47 id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きよか。
| 作成日時：2021年5月26日 21時
