342.試練の始まり ページ19
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「何にせよ、これから待ち受ける戦いのために元の世界への想いは断ち切らねばならない。帰りたいなどという気持ちはあってはいけない。そのくらいの強い覚悟がなくては、中途半端なままでお前は命を落とすことになるぞ」
真っ直ぐにぶつけられる厳しい言葉。
それは最もで、間違ってなんかいない。生半可な気持ちで立ち向かっては、確実に命を落とす。
そんな相手と…これから戦わないといけない。怖くないと言ったら嘘になる。だけど…立ち止まってなんかいられないから。
「大丈夫です。覚悟は、出来てます」
「では、その覚悟が本物であるかどうかこれからの試練で確かめさせてもらう。この試練をどう乗り越えていくかによって、お前自身の魔力の制御やコントロールがそれなりに身につくことだろう。お前自身、だがな」
いずれにせよ、試練を無事乗り越えないと話にならないってことだ。
私の覚悟が本物であると確信するため。私の魔力を完全に自分のコントロール下におくため。
何が何でも、試練を乗り越えなくちゃ。
「…お前がこの試練を受け、苦しむことになろうがどうなろうが私には関係ないが、メリオダス…私はお前のことは心配だぞ。とても苦しく辛い試練だ。お前に耐えられるかどうか…」
私の時とはえらく違う言葉をかけるザネリさんに私はなんとも微妙な心境だ。
私がどうなろうが関係ないって結構傷つくけど…。
やっぱりザネリさん、メリオダスのこと好きだよね…?
そんなことを思っていると、ポンッとメリオダスが私の肩に手を置いた。
「あんまりコイツに意地悪言ってやるな。それに、どんな試練でも負けねーさ!受けて立つよな?A!」
「うん…!!私、頑張るよ」
みんなが一緒なら大丈夫。一人じゃないって分かってるから、平気だ。
一人だったら…メリオダスやみんながいなかったから…きっと、立ち向かうことも…前に進もうという気持ちにもなれなかったと思う。
ずっと、ビビりで怖がってばかりの自分だったかもしれない。
もう、そんな私じゃないんだって、証明してやる。
「ドルキモト・ヘカトコベ・オムノレア・キエト…」
ザネリさんが何か呪文のような言葉を唱えた。
その瞬間、瞬く間に光が溢れ出す。
「な、に…、この光…っ」
目も開けていられないほど強く眩しい光。
思わず腕で顔を覆い目を強く閉じた。
次に目を開けた時、私は大きな舞台の上に立っていた。
そこはよく知る、私が通っている大学のホールだった。
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きよか。(プロフ) - ななしさん» 和解出来ましたー( ; ; )いやぁ本当に…夢主頑張った…(T-T)続編もうすぐ始まりますので、また楽しみに読んでくだされば嬉しいです♪ (2021年11月2日 0時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - ことみさん» いつもありがとうございます!リズとの出会いのシーンは本当に一番書きたかったシーンだったので、そう言ってもらえて嬉しいです…!もうすぐ続編公開ですので楽しみにしていてください!! (2021年11月2日 0時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 和解できてよかった…!本当に夢主は頑張りましたね。今後の進展もうずうずしながら待ってます!続編よろしくお願いします〜! (2021年10月6日 23時) (レス) @page47 id: 6684c52b13 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 続編も、ドキドキワクワク楽しみにしながら待ってます! (2021年10月4日 16時) (レス) id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 黄昏の歌姫8シリーズお疲れ様でした!どの場面もとっても心に残ったんですが、リズとの出会いの場面が個人的にとっても胸がドキドキした場面でした!まさかの夢主ちゃんとリズが出会って七つの大罪の世界に来た意味を少しでも知れたのが鳥肌モノでした! (2021年10月4日 16時) (レス) @page47 id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きよか。 | 作成日時:2021年5月26日 21時