【七つの大罪】黄昏の歌姫.8

334.マーリン先生の講座 ページ11

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キングを説得させ進路変更は確定した。
マーリンが言うには、１０年前王国を脱出する折にマーリンがメリオダスから奪った力を戻さなくちゃいけない…らしい。
そして私達もまた、十戒に立ち向かうための力を手にしなくちゃいけない。
向かう先は、森の賢者ドルイドの聖地。



「ドルイドの聖地ってどんな所？名前的にはすごく神聖な感じがする。聖地って名前がついてるもんね。普通の…私みたいな凡人が踏み入れちゃっても平気なのかな…。そこの聖地って、誰か住んでたり、」

「A、集中しろ」

「あっ、ご、ごめん！つい気になってベラベラ喋っちゃった」



ドルイドの聖地に辿り着くまでの間、流れる景色を眺め…てる暇はないけど心地いい風を感じつつ、私はマーリンと外で魔力コントロールの特訓をしていた。
マーリン先生のありがたい講座だ。

腕組みして私を見るマーリンと、正座をする私。別にお説教されてるわけじゃないんだけどね！
なんとなく正座をしてるだけであって。この方が楽というか。
自身の両の手のひらを胸の前で広げ、意識を集中させていたんだけどついついお喋りしてしまった。

今はまずは小さな風を起こしてみようということで、広げた両手に意識を…魔力を集中させる。
これが難しくて全然出来ない。困った。そもそもどうやるの？



「マーリン〜、無理だよ〜」

「さっきのようにあれやこれやと意識を分散させていれば出来るものも出来るわけがない。それに、そなたのどこが凡人だと？本気で言っているわけではあるまいな」

「う…」


歌えば魔力アップ。感情高ぶらせちゃえばなんか凄い風吹かしちゃうし動きも止めちゃう。
凡人はこんなこと出来ないよね、うん。
あははは…と苦笑いを浮かべた。
するとマーリンは私に、立つよう言うので言われた通り立ち上がる。

すると、広げていた私の手のひらの上にマーリンは自身の手のひらを重ねるようにする。幻影の姿だから、触れることは出来ないけれど。
マーリンのその行動の意図が分からず小首をかしげていると、何かが体の中に流れてくような感覚がして驚いて「わ！？」と声をあげてしまった。



「分かるか？これが体に魔力が流れる感覚だ。自身のこれを常に感じることが出来れば、小さな魔力を放つことくらい造作もないのだがな」

「造作もないのだがな、とか言われましても…」



でも、感じる。暖かくて、不思議な何か。
マーリンを通して、魔力が私の体に流れてるのが分かる。

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