【NARUTO】守られし愛.3

128.温かな人達 ページ42

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「Aちゃん！綺麗な花持ってるねぇ！山中さんとこかい？」

「こんにちは〜！はい、昨日入ってきたお花だそうです」

「あらぁ、アタシも後で買って行こうかしらねぇ。それより具合は？大丈夫なのかい？」

「大丈夫ですよ！ご心配おかけしました」

「お〜！Aじゃないか！元気か？ほんとに大丈夫なんか？」

「危ないから暗くなる前には帰るんだよ」



いのちゃんのところで買ったお花を胸の前で大事に抱えながら散歩がてら里内を歩いていると色んな人に声をかけられた。
何故こんなにもみんながみんな私の事情を知っているのか。
それは私が拐われた日、七班が里の人達にも聞き込みをしていたらしく。だからみんな知っているわけだ。

私を拐った二人の名は伏せている。というか広まらないようにと綱手様にお願いしたんだけどね…。
里からの追放は白紙になり、この里に残ることを許されたあの二人の行いが知れ渡ってしまえば…。

里の人達から蔑まれ、酷い仕打ちをされるかもしれない。三代目火影の血縁の者を傷つけた愚か者、と。そう言われ続けてしまうかもしれない。
私はそんなことは望まない。
優しすぎるのかな、ってふと思ったりもするけど。
とにかくこれでいいんだ。


「Aちゃん！ちょっとこっち来な！新鮮な野菜、持って行ってくれ！俺からの見舞い品！」

「え、いいんですか…？」

「なら、うちの店にも寄っていきなさい。いい漢方薬あるから。元気になるよ！」

「Aちゃん、これも！」

「え、ええ〜〜！」


気づけば市場の色んな人から色んな物を貰ってしまう状況。
野菜やお肉、体にいい漢方薬だったり。みんな私のことを心配して気遣ってくれてそうしてくれてるのだと分かってるから、申し訳なさもあるけどすごく嬉しい。
貰った紙袋にみんなからの頂き物を詰め込んで、ひたすらお礼を言ってその場を後にした。
…ちょっと、いやかなりラッキーな日かもなぁ今日。


「おそるべし、三代目火影様の親戚ポジション…」


思わず呟いた声は、いつの間にか日が暮れて現れたカラスの鳴き声に掻き消された。

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