31.死んだりしない ページ33
森から出て、帽子亭へと戻ってきた私達。
これから、ここから距離も近いということでバステ監獄にいるバンの元へと向かうことが決まった。
けどエリザベスはそれに反対の声をあげる。
「今は監獄に向かうよりメリオダス様の傷の手当てが優先ではないでしょうか?そんな体で…また聖騎士と戦うことになったら…!!」
それは最もな意見だ。
メリオダスは相変わらず平気だと言って特に手当てもせずさっさと次へ向かおうとしてるけど、明らかに放置していい怪我の具合じゃない。
「こーすれば治るかも」
「ほ…本当ですか?」
またいつもの調子で、エリザベスのスカートに頭を突っ込んでふざけるメリオダス。
なんでそうやって、無理をするんだろう。私はギュッと拳を握りしめた。
「治るわけないでしょ。メリオダス、ふざけないで」
「……なんだなんだ、A。さっきから機嫌が悪いな。あ、分かったぞ。お前もやってほしいんだな」
そう言い、手をわきわきと動かしながら私に近づくメリオダスに、ムッとする。
黙って何も言わず、ただメリオダスを見つめる私に彼は困ったように頭をかいた。
引き下がれないよ。だって無理してるから。
私は、メリオダスの怪我をしていない方の腕を掴んだ。
「お願いだから、応急処置をさせて」
そんな私の切実なお願いに、メリオダスは観念したのか、困ったように笑いながら「参った」と言った。
***
「なんで無茶するの…?」
「いてて…、んなこと言ったらお前だって無茶したろ。ギル坊にあんなことして、下手したら死んでてもおかしくなかったぞ」
「無茶のレベルが違うでしょ……」
「違くねぇよ」
メリオダスを彼の寝室に連れていき、応急処置をしている時。
どこか真剣な顔つきになるメリオダスに、一瞬戸惑う。だけど平静を装って、彼の肩に包帯を巻いていった。
「ま、あん時のお前はかっこよかったけどよ。仮にあれがもっと凶悪でとんでもねぇ化け物が相手だったらどうすんだ」
「…メリオダスが助けてくれるでしょ?私のこと死なせないって言った」
でもだからって、考えなしに危険な行動に出るのは間違ってる。メリオダスが言いたいことはじゅうぶん分かる。
「うん、ごめん…。これからは気を付けるね。私のこと守ったせいでメリオダスが死んだら…嫌だから」
「ほう、オレがそんな簡単に死ぬような男に見えるか」
「ふふ、見えません!…はい、応急処置終わり。少し寝て休んで」
そのままメリオダスは眠った。
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アイル(プロフ) - イメ画可愛いですね!どんなアプリ使ってるんですか? (2018年11月6日 11時) (レス) id: 71579a9d7e (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - カナリアさん» 気に入っていただけて嬉しいです(>_<)これからも更新頑張っていきますので楽しみにしてくださればと思います(’-’*)♪ (2018年8月25日 13時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - これはまったかもしれないですこの作品私気に入りました (2018年8月25日 0時) (レス) id: 207c22caf3 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - ゆら! さん» コメントありがとうございます♪ドキドキしていただけてとても嬉しいです(’-’*)♪ (2018年8月19日 17時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
ゆら! - もうドキドキが止まらないですぅ〜。 (2018年8月18日 3時) (レス) id: e1ed62eaa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きよか。 | 作成日時:2018年6月6日 15時