13.知っているから ページ14
「このままじゃ、皆さんを巻き込んでしまう…」
「…え？」
「…っ、ごめんなさい…！」
「あっ…！ま、待って！！」
エリザベスは立ち上がってそのまま裏口から出て行ってしまった。
追いかけようと思って私も走ろうとしたけど、情けないことに椅子に足をひっかけて転んでしまった。なんでこんな時に転ぶの。どんだけ鈍くさいの、と心のなかで文句を溢す。
「アリオーニさん、裏から女が逃げました！！」
「な、なに！！？おそらくその女が錆の騎士！！追え！！！」
「おお！！」
エリザベスが逃げ出したのに気づいた騎士団は一斉に彼女を捕らえようと追いかけた。
エリザベスはただの女の子で王女様なのに…！七つの大罪なんかでもないのに、知らないとは言え、あんな大勢でよってたかって…！
「私達も行こう…！？エリ…あ、あの子が危ない…！」
危うく名前を口にしてしまうところだった。
まだエリザベスは自分の名前を言ってなかったし、ここで私が彼女の名前を口にしたら、さすがに疑いの目を向けられてしまいかねない。
とにかく、彼女を助けないと…！と、足を動かそうとしたけど、メリオダスに腕を掴まれた。
「メリオダス…？」
「アイツらは騎士団だ。Aはここで待ってろ！な？お前まで追いかけて危険な目にあったらどうしようもねーだろ？」
その言葉通りだった。
私まで行く必要はない。だって、ここはちゃんとメリオダスがエリザベスを助けてくれる。そう決まってるじゃないか。
なのに私まででしゃばる必要なんかなかった。
「そ、うだね…。うん、そしたら私は待ってるね」
「よし、いい子だ！」
まるで子供にするみたいに、頭をポンポン撫でられる。私は、なんだか少し複雑な気持ちになった。
「あの子のこと、絶対助けてね！」
「任せろ！」
「それにこのホーク様もついてんだぜ！俺の突進技で奴らを痛い目にあわせてやんよ！」
頼もしい二人がいるんだ。
大丈夫。エリザベスはちゃんと無事に、またここに戻ってくる。だってそう決まってる。
走っていくメリオダスとホークちゃんの背中を見えなくなるまで見送った。
もう、物語は動き始めてる…。
私はその物語の中にいるんだ。そして、そのシナリオを…知っている。
先を知っているから、なんの力もない自分に出来ることはないから、私はこれから先も何もせずにじっとしているのだろうか。
本当に、それで…いいの？
そんな疑問が頭を駆け巡っていた。
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アイル(プロフ) - イメ画可愛いですね！どんなアプリ使ってるんですか？ (2018年11月6日 11時) (
レス) id: 71579a9d7e (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - カナリアさん» 気に入っていただけて嬉しいです(>_<)これからも更新頑張っていきますので楽しみにしてくださればと思います(’-’*)♪ (2018年8月25日 13時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - これはまったかもしれないですこの作品私気に入りました (2018年8月25日 0時) (レス) id: 207c22caf3 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - ゆら！ さん» コメントありがとうございます♪ドキドキしていただけてとても嬉しいです(’-’*)♪ (2018年8月19日 17時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
ゆら！ - もうドキドキが止まらないですぅ〜。 (2018年8月18日 3時) (レス) id: e1ed62eaa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きよか。
| 作成日時：2018年6月6日 15時
