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NY「オッパ、私たちで話をさせてもらえませんか?」

ようやく言葉を発したのは、ナヨンだった。
「わかった」と、他のマネージャーさんたちも出て行き、部屋にはメンバーだけになった。



NY「正直、Aと先輩のことは、私たちも気付いてたわよね」


重苦しい空気の中で、ナヨンはふうと息を整えて話を始める。


SA「うん。…でもなにも言わなかった」
NY「A、それはどうしてだかわかる?」
「……」


言葉の一つひとつに感じる彼女たちの優しさ。
スンチョルさんと電話をしていたときになにも聞かなかったスア。

NY「前、言ったでしょう。エスクプス先輩はAのことちゃんと見てくれてた。そのおかげで、Aは変われたんだって」


自分の気持ちを相手に伝えず、抱え込んでしまう。それが苦しくなって相手との距離を置く。でも今は、メンバーに、そして自分に向き合えている。それは他でもないスンチョルさんのおかげ。
彼がそうしようと思えるきっかけをくれた。


SA「私はAのこと信じてる。信じてるって言葉はすごく重く思うかもしれないけど…、相手に期待してるみたいに感じるじゃない」


あのときも同じように言ってくれた。スンチョルさんと電話をしていたときになにも聞かなかったスア。
『信じてるから』と私の選択を尊重してくれていた。



SA「でもそう意味じゃないの。私はなにがあってもAのことを嫌いにならない。お互いにぶつかっても、間違えたことをしても、Aを見捨てたりしない。それは信じてるから。だからAも私たちを信じてほしい」


弱みをさらけ出してしまったら、嫌われてしまうのではないのか、私を必要としなくなるのではないのかと思ってしまって、心を開けずにいる、私の弱さ。



YN「ナヨンオンニが言ってくれたの。エスクプス先輩が、そうやってAオンニが苦しんでるだって教えてくれたのって」



私は迷惑ばかりかけたのに。
弱いんじゃなくて、ただ怖かっただけ。



NY「A、私たちも同じだよ」

恐る恐る顔を上げると、ナヨンは目を赤くして私を見つめていた。

NY「怖くてたまらないの」
「…っ」
NY「それでも、向き合ってるの」


どうしようもなく、想像もしたくないほど、ぞっとするその恐怖に一人で怯えていた。私は独りぼっちなんだと、勝手に思い込んでいた。

でもそれは違う。彼女たちも同じように苦しんでいた。
彼女たちと向き合わないことで、私はさらに自分を弱くしていた。


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にこ(プロフ) - 続き待ってます!! (2022年8月8日 20時) (レス) @page43 id: d0206497b3 (このIDを非表示/違反報告)
赤福食べたい(プロフ) - このお話大好きです..!文面にも内容にも、本当に惹かれます。言葉の選び方など、素晴らしくて..素直に感情移入できて、ボロ泣きです(泣)どうか2人にとって良い未来を..無理せず更新頑張ってください! (2022年7月23日 23時) (レス) @page43 id: ae3f32f87f (このIDを非表示/違反報告)
あみだけどうぉぬよんのtastyが忘れられない人(プロフ) - 嬉しいです! (2022年7月18日 12時) (レス) id: 943b446d66 (このIDを非表示/違反報告)
ジェンガ - あみだけどうぉぬよんのtastyが忘れられない人さん» お返事が大変遅くなってしまいました。これから少しずつ書き進めていく予定です。よろしければ、ぜひ続きを読んでくださるとうれしいです! (2022年7月18日 10時) (レス) id: 4a7a083819 (このIDを非表示/違反報告)
あみだけどうぉぬよんのtastyが忘れられない人(プロフ) - 何度も読み返しています。また時間のある時にお話を増やしてくださったら嬉しいです。 (2021年12月14日 11時) (レス) id: 943b446d66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ジェンガ x他1人 | 作成日時:2020年5月22日 21時

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