13歳で入学 ページ7
同じ軍学校に入学したと言っても貴族の俺と平民の彼とは進むコースは違った
その為にカリキュラムは全くと言っていいほど噛み合わないことが多く
彼との遭遇率は此方から出向がない限り著しく低いけれど
『いえーい、楽しんでる？』
そう言って俺を見つけると必ずはにかんでAは近寄ってきてくれる
ダボついていない軍学校の制服と変わらぬ帽子を身につける彼は意外と様になっていて
少しだけ見えるネックレスのチェーン部分が眩しく光を覗かせた
gr「学校に楽しいもクソもあるか…ん？友達か？」
『ペア演習で仲良くなったんだ、ね、トントン』
tn「ど、どうも、シュヴァルツ・トントンです…いや、貴族さんがこんなとこおるなんて珍しいなぁ」
彼と同じ制服を身に纏った背が高く体格の良い男は少し緊張している様に何度も頭を下げた
確かにコースの違う俺の制服はこの誰でも入る事のできる食堂では浮いていたようで
仲良く話す俺たちに視線も少し集まっているようだった
gr「…いや、珍しい事ではないだろう、そんな目で見られると困る」
tn「あ、そ、そうやんな、すまんなぁ、グルッペンさん」
この学校で学ぶようになって分かったが、この国の貴族というものはなんとも難のある性格を持った奴が多い
一括りにされるのは少し不快だ
それに…Aの友達なら俺も仲良くしないわけにはいかない
なんて考えが頭をよぎり、彼に対してすっと手を出す
gr「グルッペンでも何でも好きに呼べばいい…同い年なんだろう？俺もトントンと呼ばせてくれ」
tn「お、おん！よろしゅうなグルッペン！」
『そうそう、皆等しく人間だからなぁ』
嬉しそうに素直な笑顔で俺に手を握り返すトントンと満更でもないオレを交互に見てつられて口角を上げる彼は俺たち2人の背中に手を回した
「トントン！A！休憩時間終わるらしいでぇー！」
遠くから聞こえる元気そうな大声に負けじと彼らは手を挙げながら大きな返事をした
きっと呼んでくれたのも同じ制服を着た生徒なのだろう
『グルッペン、じゃあまたね』
gr「ああ、またな」
駆け足になって何かを言い合いながら戯れて離れていく2人の背中
それをただぼうっと見えなくなるまで眺めていた
gr「…同じ建物で過ごすより、以前の方が会話が多かったな」
手元に残った少し冷えたスープが喉元を通る感覚を
俺はこの学校のここの食堂に来るようになってから初めて知った
平民と貴族の差にはやはり大きな壁があるようだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仮想話(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» とても嬉しいお言葉をありがとうございます！上手とは言い難い文章ではありますがこれ程までに褒めてくださり感無量です、最後まで好きに書かせて頂きます〜！ (2020年11月14日 12時) (
レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - 好きです（唐突）。もうほんと好きです。夢主くんもgさん他のwrさん達もほんと信頼関係…ｯ！無理せずに、無理せずに！頑張ってください！応援してます！！ (2020年11月14日 5時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仮想話 | 作成日時：2020年10月24日 10時
