〃�� ページ48
俺を覗き込むように顔を近づけると、必然的に彼の顔も近づく
gr「おい、近いゾ」
去年の勝利に昂ってしまった咄嗟のキスを思い出しては熱くなるのがバレぬように、ぐっと彼の顔を押し返す
『ん？ごめんな…それじゃ、一回この話はオスマンに返してくるわ』
ケロっとした顔で持って来た見合いの冊子を纏めて
「グルッペン.見合い話.保管庫行」というメモを書いて貼り付ける作業をする彼の背中に優しく声をかける
gr「…A」
『ん？どした？』
名前を呼ぶと、嬉しそうに微笑んで振り返る彼に、また「とくり」と控えめに、しかしやかましい心臓は音を立てる
手招きすると疑いもせず寄ってくる、その一挙一動に惹かれてしまうなんて、本当に俺はどうかしてしまっているのかもしれない
gr「あのな、去年の…キス、忘れたとは言わせないゾ」
『うん？キスしたね』
それがなんかあるのか、とでも言わん風に首をかしげるAを見て、ガシガシと後頭部をかいて気を紛らわせる
gr「…あー、Aの事が好き、なんだ、恋愛感情で」
『そりゃ俺も好きだって…ん？恋愛？感、情？？』
gr「…まだ、言わせるのか？」
目を白黒とさせた後、しばし考え込むような挙動を見せる彼
『…あー…えと、なるほどはいはい…ちょっと、失礼、しゃす』
覇気のない言葉を発しながら、すごすごと後ろ歩きで扉の前まで辿り着くと、一瞬にしてバタンと大きな音を鳴らせて扉を閉めて姿を消した
『…トントォオオオオオオン！！！グルッペンがぁ！！グルッペンがおかしくなっちゃったああああぁぁぁああああ！！！』
tn「じゃかましいんじゃぁぁあああい！！！それは前からやろがぁぁ！！！」
『別方向の頭のおかしさなのおおおおぉぉぉ！！！しんぺい神さんって脳味噌の中も治せるかなああぁぁぁ！？！？』
暫くするとそんな大声が、廊下の方扉の奥先から耳を劈くように響いてくる
どれだけ腹から声出してるんだ、とか
今やっと気づいたのかよ、とか
別に頭おかしくないわ、とか
思い浮かぶ事は色々あるけれど、いつも飄々とした彼があんなにも取り乱す姿を見るのは初めてで、俺の言葉でああなったのかと思うと自然に頬が緩んでしまう
それとともに熱くなるままの顔を少しでも冷やすように、ごつんと頭を机に押し付けた
gr「…はぁ、道のりは長そうだな」
廊下からまだ続く喧騒と笑い声を受けて
今年も部屋に生けられた向日葵は
相変わらず綺麗に咲いていた
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仮想話(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» とても嬉しいお言葉をありがとうございます！上手とは言い難い文章ではありますがこれ程までに褒めてくださり感無量です、最後まで好きに書かせて頂きます〜！ (2020年11月14日 12時) (
レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - 好きです（唐突）。もうほんと好きです。夢主くんもgさん他のwrさん達もほんと信頼関係…ｯ！無理せずに、無理せずに！頑張ってください！応援してます！！ (2020年11月14日 5時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮想話 | 作成日時：2020年10月24日 10時
