▼完璧なコマ【主】 ページ31
【A 視点】
「いやぁ、流石【異端の鬼才】と呼ばれるだけあるなぁ！我が優秀な暗殺部隊を全て刈り取ってしまうなんて…とてつもない痛手だが、いやはや…それ以上の実力が手に入るのなら仕方はないアレらもそれまでの人材だったと言うことだ」
『いえ、そんな大層な名前でお呼びにならないでください、私ももう成人しておりますゆえ』
頭をそう下げたまま素直に言葉を述べると、目の前の汚豚はフヒフヒと存分に乗った腹を揺らせ、脂を光らせながら大層醜く笑った
これがカルリッカ国を治める王様だと言うのだから笑えない
私利私欲の為に金も農作物も兵力も生命も、何もかも手中にあれば他はどうでもいいという哀れな脳味噌を持った、血統書だけで威張り散らかす成れの果てだ
「君はさぞ優秀な成績で卒業したそうじゃないか？名前が違うし髪色も一族のものとは違うから…探すのが大変だったよ、ガォナァ君」
ねっとりとした言葉で手許の王杖を俺の顎に添えるとグッと持ち上げられ、無理やり頭を上げさせられる
いつもの帽子はグルッペンに預けてしまったから、必然的に俺の瞳は目の前のブタに無遠慮に覗き込まれる
「フューラー君の元にいるそうだけれど、なんだか外交や領地も上手くいっている様じゃないか？」
『はい、カルリッカ国の進展の為にと、フューラー様が指揮をとり我々防衛軍の幹部達や兵士はそれに従い、御国に寄与して参りました』
にっこりと微笑んでやるとそれだけで嬉しそうに歪められる顔を見て吐き気さえ覚える
人間、堕ちるところまで堕ちるとこうも自制が効かなくなるのかと
「それはとぉっても有難いんだけどねぇ、いかんせん人気がアイツに傾いてしまっては元も子もないのだよぉ？わかるかね？」
『はい、国王閣下の為ならば古くからカルリッカ国に仕えたガォナァ家の一員として…私は陛下に全力を尽くすのみであります』
これはチャンスだ、俺がグルッペンの為を思って磨いてきた力は愚王にも分かる範囲まで伸びきっているらしい
それならば、俺は本国を内部から操る様になれるまでここで思いっきり活躍をして、兵士たちの考えや悩みを汲む聖人となってやろう
最後に目の前の言葉を話す珍妙な豚の首を、俺がとうに忠誠を誓ったグルッペンが切り落とし、彼の国ができるまで
『たとえ、相手が友人であったとしても…それは変わりませんよ』
精々、考える力も気力も沸かぬ様な、本格的な豚になるまで
俺らの掌の上で寛いでいてもらおう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仮想話(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» とても嬉しいお言葉をありがとうございます！上手とは言い難い文章ではありますがこれ程までに褒めてくださり感無量です、最後まで好きに書かせて頂きます〜！ (2020年11月14日 12時) (
レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - 好きです（唐突）。もうほんと好きです。夢主くんもgさん他のwrさん達もほんと信頼関係…ｯ！無理せずに、無理せずに！頑張ってください！応援してます！！ (2020年11月14日 5時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仮想話 | 作成日時：2020年10月24日 10時
