自由な奴だったな ページ24
どうやら【ぺぺ】…いや、ガォナァ・チーノという本名の新しく任命した外交部隊副隊長曰く
見た目通りに、彼はAの血の繋がった弟らしい
そんなミラクルがあるわけが無いと否定したくても、彼が俺の方を向くたびに重なるAと瓜二つの双眸に見詰められては、認めるしかなかった
tn「うっわ！すごぉ！目元ほぼAやん！にとるにとる！」
ci「あんまり眼鏡取る事ないから恥かしいですわ〜」
チーノが自己紹介をした後すぐに執務室に入ってきたトントンは彼の顔を見るなり驚いたように手に持っていた書類をバサバサと床へ落とした
Aが居なくなってからじわじわと増える仕事量に比例して濃くなった目元のクマでさえもきらきらと輝いているように無邪気に彼の顔を覗き込んでいた
os「ほなけど…兄弟でもAと違って随分とタッパあるね、髪色も違うしふわふわや」
ci「ああ、黒髪なのはA兄様だけなんです…俺も一緒が良かったんですけど」
小さな声で付け足した後、彼は少し切なそうに眉を下げ、眼鏡をかけ直した
ci「まあ、髪の色なんて関係のない話ですから…ガォナァの名を持つ俺たちは、歴としたカルリッカ王家お抱えの暗殺・隠密を得意とする一族で、忠実にその任務をこなして来た、ただそれだけです」
tn「…はえー、そこまでベラベラ話してさ…自分スパイですって言ってるようなもんやん」
流石に自覚あるやろ？
とトントンの声に合わせ、一変して冷ややかな笑顔に切り替わる俺たち3人を前にして、彼は臆する事なくただ微笑むだけだ
ci「その通り、"スパイという体"で国軍から俺を送り込んだ張本人がA兄様なので…いやはや、5年という月日は実に長く大変でした」
大袈裟な身振り手振りで話を続ける彼は、先程まで話していたAと同じ瞳を持つと褒められて、無邪気に笑う彼とは一転していた
まさに巧妙で、目を惹かれる仕草と視線の誘導は、トントンが兵士の中から抜擢するに相応しい技術である事を存分に実感させられる
ci「質問には今から存分に、誠心誠意を持ってお応えしましょう
とにかく、俺はかの暴虐なカルリッカ国王ではなく、A兄様の使いとして我々国にカルリッカ国転覆の為の共同戦線の要請にきたのです…どうか協力してくださいませんか？
未来の我らが総統閣下、グルッペン・フューラー様」
そう言って彼が懐から出した膨大な手紙の裏に付属暗号文を、俺たちは今から数日をかけて説明と共に読み解くことになる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仮想話(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» とても嬉しいお言葉をありがとうございます！上手とは言い難い文章ではありますがこれ程までに褒めてくださり感無量です、最後まで好きに書かせて頂きます〜！ (2020年11月14日 12時) (
レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - 好きです（唐突）。もうほんと好きです。夢主くんもgさん他のwrさん達もほんと信頼関係…ｯ！無理せずに、無理せずに！頑張ってください！応援してます！！ (2020年11月14日 5時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仮想話 | 作成日時：2020年10月24日 10時
