ごさいのはじめまして ページ3
俺がその人間と出会ったのは
まだ6歳にもなっていない幼い頃
北方の貴族の嫡男として幼い頃から家庭教師に囲まれていた俺はその巡るましい日々に疲弊していた
やっとのことで休息を取ることが許される時間だけは庭にある大きな木の下に座ってぼーっと過ごすこと
それが当時思いついた唯一の息抜きだった
『こんなとこでなにしてんの？』
そんなつまらない日々が変わったきっかけにして
俺が今総統として国を治めるようになる原点
gr「いっ！？」
突然上から降ってきたその声に驚いて振り向いた俺は思いっきり後ろの木に頭をぶつけてしまったな
『わ、だいじょうぶかよ…いたくないか？』
頭を抑える俺を見てするすると猿のように器用に木から降りてきたのはおんなじくらいの身長の男の子
キャスケット帽抑えられた前髪で目を見ることはできず、膝丈のオーバーオールを着た全体的にくたびれたボロボロの格好
彼は頭を抑える俺を心配するように隣に駆け寄った
gr「おまえ！ここはフューラーけのしきちなんだぞ？しってるのか？」
不審者丸出しのその子を指差してそう問い詰めると
当たり前に知っているとでもいった風に
飄々たる態度で取り乱しさえしない彼
『うん、きみはりょうしゅさまのむすこさん？』
gr「そうだ、おれのなまえはグルッペン、グルッペン・フューラーだ」
名乗ったんだからお前も名乗れとジト目で睨むと
彼は難しそうな顔をしてうんうんと唸っていた
『えー、なまえね…えっとなんだっけ…？』
gr「おまえ…なのるなまえすらないのか？」
もしかしてスラムの出身だろうか？
そのくたびれた服からそんな想像が頭をよぎる
俺が生まれ育ったその国は独裁的で貧富の差が激しくあまり良からぬ国だったことは確かである
俺自身はこの敷地の外へ出た事が無かったけれど
何となく親や使用人の話を聞く限りでは
自分が恵まれた存在であることは理解していた
『いやちがうくて…あ、そうそうおもいだした』
ポンと手をうってかろうじて見えていた口元がにっと横に開かれた
『ぼくは"A"っていうんだよ、グルッペンくん』
その時やっとサラサラと風に乗って流れる
黒髪の間から覗いた橙色の瞳が
とても眩しく発光しているようにチカチカと光って
まるで太陽を映したかの様に彼の笑顔は咲き誇った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仮想話(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» とても嬉しいお言葉をありがとうございます！上手とは言い難い文章ではありますがこれ程までに褒めてくださり感無量です、最後まで好きに書かせて頂きます〜！ (2020年11月14日 12時) (
レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - 好きです（唐突）。もうほんと好きです。夢主くんもgさん他のwrさん達もほんと信頼関係…ｯ！無理せずに、無理せずに！頑張ってください！応援してます！！ (2020年11月14日 5時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仮想話 | 作成日時：2020年10月24日 10時
