箸が転べば僕らは笑った -5-【魔d!】 (ページ34)

今日:5 hit、昨日:33 hit、合計:22,523 hit

. ページ34

.

ra「軽くルールを説明するなぁ」

場所は変わってアスレチック場
あの提案を面白そうという理由で引き受けた僕らはストレッチをしながらラッダァ先生からのルール説明を聞いていた

ra「飛行はNG。己の手足のみで突破すること。コースアウトしてもギブアップしなければ何度でも復帰してよし」

rb「わかりやすくてええな」

ra「そうだ、あとは障害物に気をつけることだなぁ」

ラッダァ先生は屈伸や足を伸ばして準備運動をし、彼を挟んだ先にあるロボロ君は楽しそうにぴょんぴょんとその場で跳ねて地面の感触を確かめている
なのに雑面から顔が覗くことはないから不思議
一体どういう魔具なんだろう？

じっと見ていたからか、ふとこちらを向いたロボロ君が少し驚いたように黒髪を揺らした

『楽しもうね、ロボロ君』

rb「…！、おう！」

カウントダウンの後でスタートの合図が鳴り響き、僕らは足を踏み出した

…

rd「オメェら…やるなぁあ！！」

rb「そりゃどう…もっ！」

トラップを避けつつ小さな足場を踏んでは越えてひたすら進む、体幹と筋力と咄嗟の判断が鍵となる
アスレチックとは、そんな純粋な肉体運動(スポーツ)だった

魔術が何よりも大切な魔界でこんな競技があったなんて知らなかった

なんだろう、すっごく楽しい…！

現在の順位は、先頭から僕、ロボロ君、ラッダァ先生
とは言っても三者に大きな差はなく順位の変動も多い

ra「ガハハ！でも負けない、ぜぃ！」

『先生の方が遅れてません？』

ただ煽り煽られの幼馴染みを見て育ったゆえに、後ろを振り向いて笑ってみせる

ロボロ君もロボロ君で「せやぞ～？」と天の文字を笑顔にしながらノってきた

ra「オメ～！生意気だな！」

開きっぱなしの口元からその声が聞こえた瞬間
「ガシャン」という機械音とともに、眼前に大きな鎌が現れた

『うおっ！？』

すんでのところで横へと体をずらし、鎌は真横を通り過ぎていった
口より漏れ出た驚きの声よりも大きく、耳元で「ひゅん」と風邪を切る音がハッキリと聞こえた

今まで《予知》に頼ってきたせいか
まだまだ咄嗟の判断が足りていない

気をつけねぇとな、と生唾を飲み込む僕に後ろから声がかかる