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でも、たったひとつだけ
タバコを口にした悪魔を見てかっこいいと憧れた。その時から自ら本を探して勝手に勉強して、親に内緒でこっそり練習した魔術が…
たったひとつだけど、あったから
ut「〜ッ《
見様見真似で出した、吹いたら消えてしまいそうな…小さなちいさなあかい炎。
灯りを揺らしてふらふらと風に揺れ、それは目標の魔具の側まで近寄って…シャオロンの持つ木製のバットに引火した。
ut「ぎゃああああ！？ごめぇん！！そんなつもりじゃなくて…っ！」
『《水刃》』
遠くから凛とした声と共に放たれた水の塊が、まるで刃物のように鋭くシャオロンを掴んでいたアームを断つ。
短い悲鳴をあげながら落ちてくるシャオロンの下に体を滑り込ませて、なんとか体で彼を受け止める。
ut「ごめ、ぼく、なんもできへんくて…っ！」
sha「ようやったぞ！青スーツ！」
ut「…へっ？」
にぃっと笑ったシャオロンは火種になった燃え盛るバットを持って立ち上がった。
バッター席に立ちグリップを確かめるように握りしめた彼は、思いっきり振りかぶって魔具に向かってバッドを放り投げて叫ぶ。
sha「これで逆転ッホームランやぁああ！！」
ゴツン。と嫌な音共にバッドは魔具にぶち当たった。
しかし…ただ、当たった。それだけだった。
魔具は地面に落ちるわけではないし、ボディが凹んで機能に支障が出ている様子もない。
僕らの攻撃は効かなかった
その事実に顔を顰めて見上げれば、魔具は余裕そうにこちらに向かって機体を揺らす。
ああ、やっぱり、もう助からないのか
諦めから身を守るように目を瞑りそうになった…その時だった。
彼女がシャオロンを助けるために魔術で切りつけたところから滴っていたオイル漏れに…僕の《火炎》が引火した。
「〈ギィ！！ガガガ、ギィイ！？！〉」
たちまちのうちに魔具は苦しそうな機械音声を狂ったように掻き鳴らし、最後には派手な音を立てて爆散する。
ut「はは、うまくいくんかよ…」
ポップコーンのように弾け飛んだ火種は、あちこちに滴り落ちていたオイルに引火した。
呆気に取られる暇もなく、公園はたちまち火の海と化していく。
ut「バカおま！ちょ！火！火やばいって！」
sha「火ぃつけたのはお前やろ！？お前がなんとかせぇ！」
ut「えぇ！？逆ギレぇえ！？無理やでそんなん！できへんよ！？」
sha「は！？じゃあ一体どうしたら…！？」
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マジモンの名無し(プロフ) - 仮想話さん» 了解しました！ (1月24日 17時) (
レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - お立ち寄り頂きありがとうございます。全てのコメントを有り難く拝見しております。誠に勝手ではありますが、快適かつ楽しいサイト活用の為、当作品でのコメント送信は私宛のもののみに限らせて頂きたいと思います。ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。 (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - ベルナールさん» ベルナールさん、コメントありがとうございます！不定期ではありますが何年か先の完結目指して更新しますので、お付き合いくださると嬉しいです。 (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - マジモンの名無しさん» マジモンの名無しさん、続編でもコメントをいただけるなんて恐縮です！寒い季節が続きますので、温かい飲み物を飲んでゆっくり過ごしますね、ありがとうございます！ (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - 蘭欄さん» 蘭欄さん、コメントありがとうございます。趣味ながらできる範囲で研鑽に励もうと思います。ここまでお付き合い下さり本当にありがとうございました。 (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮想話 | 作成日時：2024年1月16日 10時
