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sha「……ありがとうって、お前…」
完全に毒気を抜かれた顔をするシャオロンを見てほっとする。どうやらひとまず危機は去ったようだ。
今までの緊張に襲われて地面に膝をつき再度顔を上げれば、彼女はいつの間にか僕の目の前にしゃがんでいた。
『あの』
凛とした声に、至近距離に迫るその顔に思わず息を呑む。
まるで芸術作品だ
気がつけば彼女の魅力に吸い込まれるように、頬にそっと自分のハンカチを添えていた。
ut「あ、風邪ひいたらあかんから、その、ハンカチで拭こうと、して」
『いいんですか？ありがとうございます』
僕の手の上からハンカチに触れる彼女に驚いて、体が石のように固まり動かなくなる。女の子を前にしてこんな醜態晒すなんて恥なのに
なんで、嬉しいと感じてしまうんだろう？
『先程の行動は、私のことを心配してくださったからなのですか？』
ut「えっ、あ、まあ…」
お礼を目当てに来たとは言えない
とっさに帽子も隠れていた茂みに置いてきてしまったから、すぐに渡せないし。なんて会話を繋ごうか、と考える中で彼女は僕の両手を包む。
『貴方はとても優しいお方なのですね』
先程ジュースを口にした時のように「にぱっ」と花が咲くような笑顔を見て、胸の奥の何かに火がついてしまった。
だって初めてだったんだ
こんなにも綺麗なものを目にしたのは
こんなにも、興味を惹かれる女に会ったのは
『で！これは何なのですか？！とても美味しいのですが！』
ut「え？えーと、極甘ジュースやと思う」
『極みの甘さということですか…！魔界にはこんな甘味が隠れていたのですね！』
口の端をぺろりと掬っては満面の笑みを浮かべてぴょんぴょんとその場で跳ねる。先程までは恐ろしさに胸を震わせていたのに、甘いジュースに夢中のこの子が、急にとてつもなく可愛らしく思えてくる。
sha「んだよ…なんなんだよ、お前！！」
ぎろり、と鋭い視線を走らせ…ているわけでもない
まんまるのままでへにょっとした尻尾を必死に持ち上げながら彼女に向かって指を差す。
sha「なんで、嫌がらせしても、俺に好意なんて持ってるんや…！」
『え？嫌がらせ？貴方に何かされましたっけ？』
sha「とぼけんな！めっちゃいや〜なことした！」
シャオロンに指摘されても「心当たりがない」と言わんばかりにきょとんとした顔で首を傾げる彼女を見て確信した。
多分、この子…ちょっとアホだ…！！
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マジモンの名無し(プロフ) - 仮想話さん» 了解しました！ (1月24日 17時) (
レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - お立ち寄り頂きありがとうございます。全てのコメントを有り難く拝見しております。誠に勝手ではありますが、快適かつ楽しいサイト活用の為、当作品でのコメント送信は私宛のもののみに限らせて頂きたいと思います。ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。 (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - ベルナールさん» ベルナールさん、コメントありがとうございます！不定期ではありますが何年か先の完結目指して更新しますので、お付き合いくださると嬉しいです。 (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - マジモンの名無しさん» マジモンの名無しさん、続編でもコメントをいただけるなんて恐縮です！寒い季節が続きますので、温かい飲み物を飲んでゆっくり過ごしますね、ありがとうございます！ (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - 蘭欄さん» 蘭欄さん、コメントありがとうございます。趣味ながらできる範囲で研鑽に励もうと思います。ここまでお付き合い下さり本当にありがとうございました。 (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮想話 | 作成日時：2024年1月16日 10時
