60.初めての「＿＿」【ut】 ページ28
【幼き日のレイラー・ウツ視点】
その日はとてもいい天気だったことをよく覚えてる
憎らしくて仕方ないくらい、自分の廃れた心とは正反対の青空だったから
あの頃の僕は親に認められたくてがむしゃらだった
そのために、淫魔族として異性を手玉に取れるようになって、家系魔術を使いこなせるようになりたくて仕方なくて
…正直、僕は男の子より女の子が好きだ
柔らかいし、見た目がいいし、なにより言葉が伝わるから。ゴツゴツでクソみたいな奴らよりはマシってだけだったけど。
今の歳になり女を幾度と抱いてみりゃ、まぁ当たり外れのあるシャブみたいなもんなのだろうと思う。
とはいっても、何股とかで怒られたり、殴られたり…酷い目に遭うのは結構しんどい
いや、そんなんやっとる僕が悪いんは知っとるんやけど
淫魔族と他の魔族では性に関する認識がズレているらしいということは、幼い段階で気づいていた
好かれてる理由は皆様々だったけれど、僕が磨いてきた話術や技術があってこそで、僕の中身まで知ろうとしてくれる子はいなかった
子供がモテる理由は足が早いからとはよく言ったものである
ちなみにめっちゃ走る練習はした、学校に入ったら運動系の師団にでも入って格を上げようかな、とか思ったりして。
…まあ、長い前置きはやめて、本題に入ろっか
幼き日のレイラー少年は、そんな手玉で転がす気満々の
「お願い！公園にいるコワイ悪魔をやっつけて！」
面倒くさいな
心の中で悪態をつきながらもその場限りの言葉で適当に返事をすれば、何かを押し付けてそそくさと走り去ってしまった
怖い悪魔がおるってわざわざ僕に言わんくても、逃げるなり魔関署に言うなりすりゃええのに
そう思うと同時に「頼られる男になれている」「成長している」という見方で気持ち良くなっていたのもまた事実
ut「…というか、お礼が飴ひとつって」
キスの一つでも貰えれば、淫魔族としての格が上がるのに
まあ子供の間は難しいことだと母さんは言っていたけど、あれは優しい言葉ではなく子供を舐めた発言だ、と僕は思う。
結果としては、僕が期待されてないことに変わりない。
ut「…お、この飴あたりついてんのか」
どれどれと袋を開けて口に飴を突っ込んで、あたりかはずれかを確かめようと包み紙を覗き込もうとした時
頭上にひとつ、影が舞った
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マジモンの名無し(プロフ) - 仮想話さん» 了解しました！ (1月24日 17時) (
レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - お立ち寄り頂きありがとうございます。全てのコメントを有り難く拝見しております。誠に勝手ではありますが、快適かつ楽しいサイト活用の為、当作品でのコメント送信は私宛のもののみに限らせて頂きたいと思います。ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。 (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - ベルナールさん» ベルナールさん、コメントありがとうございます！不定期ではありますが何年か先の完結目指して更新しますので、お付き合いくださると嬉しいです。 (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - マジモンの名無しさん» マジモンの名無しさん、続編でもコメントをいただけるなんて恐縮です！寒い季節が続きますので、温かい飲み物を飲んでゆっくり過ごしますね、ありがとうございます！ (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
仮想話(プロフ) - 蘭欄さん» 蘭欄さん、コメントありがとうございます。趣味ながらできる範囲で研鑽に励もうと思います。ここまでお付き合い下さり本当にありがとうございました。 (1月24日 3時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮想話 | 作成日時：2024年1月16日 10時
