箸が転べば僕らは笑った -7-【魔d!】 (ページ42)

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愛なんて、所詮押し付け合いなのではないかと…俺は思っているけれど

syp「Aさん、このまま正式に我々師団員に、なーんてどうっすか？」

sha「お！めちゃくちゃええこと言うやんショッピ！魔具研辞めるんやったらそうしようってA！」

シャオロンさんに勢いよく肩を組まれても、体幹が異様に強いのかフラつくこともなく彼の顔をじっと見るAさん
少し考え込むようにフリーズした後、彼は小さな声で呟いた

『あー、うん、そうしようかな』

想像以上にあっさりと、俺らに目線を合わせずそう呟く
その言葉を聞いたシャオロンさんは、心の底から嬉しそうに目を輝かせてガバッとAさんに向かって一直線に抱きついた

sha「やぁっと！！言ったなぁA！！これで野望まで一直線や！」

syp「やり〜！正規師団員(パシリ)ゲットォ〜！」

sha「おいこらショッピ」

『パシリって聞こえてますが？』

syp「な〜んのことかにゃぁ〜？」

sha「裏で俺らのことそう呼んでるのも知っとるからな！」

抱き合ってた2人が俺にターゲットを移してきゃいきゃいと吠えてくる

まるで小型魔犬と念子みたいやなぁ
声を聞かなければ可愛い女子2人に囲まれてるから、そう見えるから今少し嬉しいって思っとるんやろう

sha「そういや聞いてなかったけど、ショッピはなにかやりたいことないの？」

syp「…僕の野望、ですか」

その言葉を聞いて思い浮かんだのは、俺が我々師団に入団した時のこと

「欲深き悪魔たちが必死にあがくさまこそ最高のエンターテイメント！」

「どうだね？私と共に楽しまないか？」

そう言って肩を掴まれたあの日のことを

「いつかもーっと撮れ高あるもん見せてやんだから」

「ちゃんと動画に収めてよねショッピ！」

…動画に撮り溜めておきたくなった悪魔と出会ったことを思い出して、フッと口角が上がる

syp「…このビデオカメラを、アホな悪魔たちの動画でいっぱいにすることですかね」

動画に収めなきゃいけない、いつか彼が楽しそうに宣言した日に決めたのだ
その延長として、また面白そうな後輩たちが続々と現れて

syp「みんなを見えると楽しいですから、動物園みたいで」

面白いことが見つからなくて、ひとりぼっちでゲームをし続けていたあの日々に比べると、ビデオカメラを構えている今がどれだけ楽しいか

まだ、皆に教えてやる気は毛頭ない