- ページ35
.
というか、とても1人だけでは対応しきれる気がせえへん
同じ強火担でもストッパーをしてくれる大先生か、当の本人Aさんがおらん限りは自爆特攻に等しいと思う
あとは、後々自然に少年の事を知った方が…面白そうだと思ったから
俺自身が巻き込まれない限りは、傍観者に徹している限りはギリギリまで楽しみたい
sha「あ！ちょっとあっちのも買ってくるわ」
syp「えー、まだ買うんすか？」
sha「ここで待っててや、すぐ戻るから」
そう笑うと、俺のヘルメットをポンっと叩いてからスタスタと祭囃子の奥へ消えていくシャオロンさんをぼけっと眺めながら眉を顰める
ワイは迷子のロリちゃうんやぞ…
さっきのちっちゃい子に対するんと同じ接し方で宥めとるんちゃうぞ…！
と、まあそんな事を思っても彼について行くのは結局のところ面倒で
自由にぶらついていようと、フラフラと出店を見ていた時だった
「のう、そこの小僧」
背中側からかけられた凛と高く響く声に、思わずくるりと振り返る
微笑みもせず、眉のひとつも動かさずに声の主は…その子はいた
自分よりは頭ひとつ分低い位置から見上げられているはずなのに、まるで見下ろされているかのように高圧的で
その堂々たる立ち振る舞いを際立たせるように、質の良い着物に身を包んでいた
薄紫の光の輪を被った銀色の頭髪は随分と長く、前髪は真っ直ぐとこちらを見据える青い瞳を少しだけ隠していた
黒く太い角張ったツノがやけに仰々しく、高価そうな飾りが更に彼女の存在を気立たさせている
何よりも、この世の全てが気に入らないとでも言いたいくらいの無表情に、皺を寄せたままの眉が特徴的だった
圧倒的美少女、その存在感は一瞬にして俺の心を鷲掴んだ
掴んで離してくれないと思うほどに、ただ美しかった
…って、いやいや、いかんいかん！
俺はまだ犯罪者になるつもりはないんや…！！
先ほどのシャオロンさんの迷子への対応を思い出しながら、膝に手を置く形で彼女に目線を合わし、声をかけてみる
syp「…どうしたの？迷子かにゃあ？」
いざ声をかけてみると少しだけ震える自分の声がどこか犯罪者じみていることに気づいて口角がヒクつく
だってこの子めっちゃ綺麗なんやもん…っ！！
ワイ、ロリコンやねんぞ、こんなん、こんなもん…属性特攻やって！！
「妾が迷子に見えるのか？…随分と失礼なやつじゃな」
平坦な声色とは裏腹に言葉の棘はチクチクと、こちらの心にトドメを刺した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 327人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仮想話 | 作成日時：2022年8月22日 0時
