42.教授先輩、質問です�� ページ42
em「私もその友達の1人として数えてくださっていれば大変嬉しいのですが」
こてん、と眉を八の字にして恥ずかしそうに斜め下へと視線を向ける
どこかあざといけれど、きっと自覚はないのだろう、なんとも相談しやすい、話したくなるような誘導
ずるい先輩だ、そんなテクはきっと知らぬ間に磨いてきたのだろうが
『先輩は同級生より先に知り合ったのに、そんな風に感じられていたのですか…？年齢差は大人になれば殆ど無くなりますよ…先輩は大切な友人です』
小さくため息をついて負けましたとばかりに両手をあげる私に彼は無邪気に嬉しそうだ
『お友達のエーミール先輩、だからその1人としてお答えくださいね』
そう言うと満足そうに頷いて、彼は姿勢を正した
『私、トントン以外に隠し事があるんです、ずっと騙し続けてもう何年になるかもわかりませんが、これは友達として正解なのか…』
『元より墓まで持っていくつもりだったんです
…まあ、トントンの他に友達なんて出来るわけないと思っていたのが大きな敗因なんですけれど』
机に向かって項垂れつつ続ける私に彼は、仕方のない生徒を思いやる先生のように柔らかい口調で返した
em「Aさん、貴方はきっととても優しい人なのでしょう」
その色彩の薄い瞳をこちらに向けて真剣な顔で彼は続けた
『その言葉が似合うのは私ではなく先輩です』
そういうと、「嬉しいがそれはそれこれはこれ」と言って咳払いをする
黒板を背に立つ教師のように凛とした彼は続ける
em「誰でも秘密や嘘をつかずに生きるなんて不可能だ、それこそ親しい人や友人ほどその頻度は高くなるそうです」
先輩は身振り手振りまで合わせていく
em「今貴方が苦しんでいると言うことは、誰かと誰かの気持ちの板挟みにあるのではないでしょうか？…焦らなくても大丈夫、私たち人類は"話し合い"という力があります、きっと私も含めて皆理解してくれますよ」
話終わると、また首をこてんと傾かせ天性のあざとさをふりまく先輩は、本の山から一冊を抜き出す
em「だから今は友達として隣合わせで本でも読みましょう」
そう言って彼はオススメだというそのその本を渡しに渡すと、すぐに自分も本を読み始めた
秒針のみが響く2人きりの図書室はやはり居心地が良かったのに、私にはてんで本の内容が頭に入ってはこなかったのだ
43.絡まれて考えて【??】→←41.教授先輩、質問です��
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仮想話(プロフ) - ぴくさん» ご指摘ありがとうございます、とても助かります！修正しましたm(_ _)m (2020年9月22日 17時) (
レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴく(プロフ) - 27ぺージのzmさんの表記がzwになってます！ (2020年9月22日 16時) (レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮想話 | 作成日時：2020年9月22日 0時
