41.教授先輩、質問です�� ページ41
馴染みの図書室へと足を運ぶと、いつものようにそこに彼はいた
『エーミール先輩、お隣いいですか？』
em「いらっしゃいAさん、今日もいらっしゃったんですね」
今日は何の本を読むんですか？と語りかける彼の優しい声に、微笑んで隣の席に腰を下ろした
私が本を一冊も持っていない事に気づくと、彼は不思議そうな顔をしていた
その仕草がなんだか可愛くて、後輩として先輩に敬意を込めて背筋を伸ばして話始める
幸い、放課後に司書さんもいない少しくたびれた図書室に居座るのは私たちだけだった
『…聡明なエーミール先輩に、前々からお尋ねしたいと思っていたことがあるんです』
em「Aさんに頼られる事なんてあるんですね、少し驚きましたが…ええ、私が答えられる範囲でよければ」
ミルクティ色の髪を揺らしながら、その水晶のような目を糸のようにすぼめる
まるで赤子を相手にするかのようにこの先輩は誰に対しても優しすぎるような気がする
それ故に鬱君たち後輩からあんな扱いをされるのでは、なんて無粋なことを聞きたいのではないけれど
『親の期待って、どこまで続くのでしょうか？…学生時代というのは、学力や運動能力が数値化されて、目に見えて結果が分かりやすいじゃないですか』
em「そうですね、学年首席で選抜リレーにも選ばれる貴方ならきっとそう言った期待は自然と大きくなるのは必然的でしょう」
音楽室で某番組のように主張しますか？なんておちゃらける先輩に断りを入れる
地味に防音設備が整っている事を知っているらしい、選択授業が音楽でもないのに
『それは時間をかければ自ずと達成できるので、あまり苦ではないのですが…』
em「んー、ではお友達に対して何か考えることでもありました？」
人差し指を口元に開けて先輩は少しだけこちらを見る、その仕草が私の全てを見透かしているかのようだった
この人はもしかしたら、私の考えている事をすべて知っている上で私と接しているのではないか？
そんな風に感じる瞳からわざとらしくそっと視線を逸らした
『…私はそれほど分かりやすいでしょうか？』
em「いえ、1年生たちからよく貴方のお話を伺う機会が増えたので…クリスマスパーティーも楽しかったですし…よっぽど仲が良くなった、または"なってしまった"からこそ気にかかる事が増えてしまったのでは？…と」
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仮想話(プロフ) - ぴくさん» ご指摘ありがとうございます、とても助かります！修正しましたm(_ _)m (2020年9月22日 17時) (
レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴく(プロフ) - 27ぺージのzmさんの表記がzwになってます！ (2020年9月22日 16時) (レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮想話 | 作成日時：2020年9月22日 0時
