40.君の抱えるもの【tn】 ページ40
【トントン 視点】
冬休みが明けると、その寒さは一層強く感じるようになった気がする
tn「おはよ、最近お前の方がくるん早いな」
『…ん、学校楽しくなってきたから』
マフラーにコートにタイツ、スカートなら尚更寒そうだと早く駅の中へと進み、2人で次に来る汽車を待つ
お揃いで買った赤いマフラーは2人で並ぶとカップルみたいじゃないか？と最近気づいて…少し申し訳ない
tn「おかんはどんな感じ？メシ一緒に食いよん？」
『ほぼ帰ってこないか帰っても寝てる、起きてたら成績渡して褒められて頑張るのよーってそんな話ばっかりだし』
こいつの母親は大手メイク会社のお偉いさんらしく、その殆どを社宅で過ごしているらしい
『代わりに父さんと連絡しやすいし、母さんと話すの大変だから仕事で忙しくて片手間で心配されるくらいの今が楽だよ』
tn「なあ、おかんのこと嫌いではないん？」
父親は、母親に子供のことで話し合いをしていた際に手をあげられ渋々別居という形を取ってはいるが、こいつのことは大事に思って気にかけているようでメールや電話がよく届く
お父さんと一緒に住んでたらな、なんて呟いた時もあったほど、こいつは中学時代、母親が社宅をとるまでは母親と過ごすことに多大なストレスを抱えていた事はよく知っている
『…嫌い、ではないけれど、トントンの方が何倍も好きだよ』
tn「…そういうこと周りに聞かれたら馬鹿みたいに騒ぐからやめるんやで」
以前よりも断然明るくなった笑顔をすぐ表情に出せるようになったこいつは、わかってるからとそのままの表情で笑う
『友達としてだよってちゃんと言うよ、皆みたいにさ』
tn「あのノリにも大分慣れてきたよな、あいつらも好きになれそうか？」
学校に向かうたびに乗りこむ電車が向こうから段々と近づいてくる
『多分結構好きだよ、絆されまくり…考える時間は増えたけど、それでももっとみんなと楽しくしていたいって思うから』
目の前で停車し、扉が開くと、それに合わせてこいつは俺の方を振り返って手を取った
『あの人たちと会わせてくれて、友達でいてくれてありがとうね、トントンのおかげだよ』
tn「自分の実力やで、ほなはよ学校行くぞ」
『うん、みんなに会いにいこか！』
願わくば、こいつの心の底からの笑顔をいつも出せるようになりますように
秘密を知った身として、俺は例えエゴだとしてもどうにかしてこいつを救い出したいと思いつつ目の前で微笑むこいつを眺め続けるだけだ
41.教授先輩、質問です�、�←39.クリスマスパーティー��
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仮想話(プロフ) - ぴくさん» ご指摘ありがとうございます、とても助かります！修正しましたm(_ _)m (2020年9月22日 17時) (
レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴく(プロフ) - 27ぺージのzmさんの表記がzwになってます！ (2020年9月22日 16時) (レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮想話 | 作成日時：2020年9月22日 0時
