28.翌日は体育祭 ページ28
『昨日はいっぱい寝られたぁ！』
tn「トランペット吹きっぱなしで疲れたやろしなぁ…ほんまに凄かったわ」
トントンから素直に褒められつつ運動場に鬱君も一緒に足を運ぶ、文化祭を終えた翌日の体育祭、1.2.3年生合同のクラス対抗全5組の争いが今から始まろうとしていた
しかし、昨日までの文化祭のワクワク感が抜けきらないまま、私のテンションはほぼ最大のままこの体育祭に挑むことになった
『ロボロ君と計画してたの！ソロしかしたことないって言うからとりま全校生徒の前でデュエット魅せてやろうって』
ut「Aちゃんめーっちゃかっこよかったで」
『かっこいいかぁ…！ありがとう！』
普段は褒められない【かっこいい】というその言葉は特別で特段に嬉しく感じる、そのおかげでぐんぐんと私の調子も比例して伸びていくのだ
『まだまだかっこいいところ、見せるからね』
tn「おう、俺らも負けてられへんな」
チーム一緒だけどね、と笑い合う私たちに鬱君はぼそっと呟いた
ut「でもクラス対抗やからあいつら敵やなぁ」
rb「まぁ頭ええだけの応用科には負けたく無いわな…昨日どんだけ息合っとったとしても、な」
後ろから聞き慣れた声に振り返ると、そこにはちゃんと鉢巻きを巻いて私たちと同じ見慣れぬ体操服に身を包んだロボロ君が仁王立ちをしていた
tn「…どっかからロボロの声するなぁ」
rb「小さすぎて見えんかった〜ちゃうぞ！今俺は成長期なんや！」
内輪ノリの十八番だろうトントンをはじめとするロボロ君の身長いじりにのっかかるのもこの半年で随分慣れた気がする
そんなロボロ君の後ろからすっと、前髪で鼻上まで隠れた緑のパーカーを羽織った生徒が顔を覗かせた
zm「ﾁｯｽ、女装喫茶じゃちゃんと挨拶してなかったよな、ゾムです！…あの、夏休み忙しくて遊べんくてな…まぁよろしゅうな」
"ゾム"。女装喫茶から今までうやむやにしていた煙がふわっと、また私の脳に降りてくる
だけど、態度には出さずに決して知らないふりをして、"いつも通りの"笑顔を貼り付けて彼に返事をする
『ゾムターちゃんだ…！1位おめでとう！Aです、こちらこそよろしくね』
zm「…！おん！よろしく！」
私の返事を聞くと共にブンブンと手に持っていた鉢巻きを回す彼の思っている事がよくわからない、目が隠れているからという理由が大きい気がする
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仮想話(プロフ) - ぴくさん» ご指摘ありがとうございます、とても助かります！修正しましたm(_ _)m (2020年9月22日 17時) (
レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴく(プロフ) - 27ぺージのzmさんの表記がzwになってます！ (2020年9月22日 16時) (レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仮想話 | 作成日時：2020年9月22日 0時
