13.登校日の話し合い【tn】 ページ13
【トントン視点】
夏休み中の登校日、まだ始まったばかりのはずの長期休みのぐったり感に抗いながら、俺たちはクーラーの効いた教室で話し合いをしていた
ut「なんでプールと海に行ってくれんのぉ〜行こうや〜」
『昔から水辺が怖くて…ほんとごめんね』
中学の時、こいつはプールの授業はずっと見学だったことを覚えている。先生は何も言わず、周りからはサボりだとか、いやか弱いのよきっと、なんてヒソヒソ言われていたけれど、プールサイドに近づくだけで震えていた肩と遠くを見つめるあの瞳は忘れられない
なんで怖いのか聞いてみたこともあったけど、本人曰くいつから怖くなった、とか詳しいことは自分でもわからないらしい
申し訳なく笑う彼女の理由もない恐怖を少しでも汲んであげられるのはきっと、今この学校では俺だけだろうから2人の間に口を挟む
tn「そのかわりに陸では運動神経ええよな」
『…うん！苦手ではないよ！』
ぱあっと明るく変わった彼女の顔をみて、ほっと一息をつく
ut「そうなんやぁ今日学校来たんも文化祭と体育祭のためやし、楽しみやなぁ」
『楽しみだね、話し合いで席も自由で嬉しいし』
tn「まあ一応話し合いの授業なんやけどなぁ」
ざわつく教室から分かるように、あまり進まない話し合いに対してグループ毎に考える時間が取られたのだ
『コネシマ君とシャオロン君は5組なんだよね？ロボロ君は3組だし…皆のクラス見に行こうね』
ut「勿論や、でも先にうちのクラスのん決めんとなぁ…」
tn「俺らの意見何にする？」
思いつかんなぁ、とだらだらと蠢く大先生の横で彼女はあっと小さく声を上げた
『お化け屋敷とかどう？』
ut「あぁ、あいつら脅かしたりたい？」
にひひ、と悪びれて笑って答える彼女に対して鬱はのっかかってとびきりの悪戯顔で笑う…心底楽しそうだ
tn「俺も賛成、じゃあ級長に話してくるわ」
『ありがとうトントン！』
ut「恐れ慄かしたるでぇ…まっとれよあいつら！」
まだ決まっとらんけどな、そう思いながらも各グループで出た意見を書き出して多数決をとると呆気なく俺たちの意見が採用された
ut「あいつらを血祭りにあげてやらぁ！」
tn「どっちかっていうと血祭りになるんは俺らやろうけどな」
1年1組はその後の出店バトルロワイヤルも勝ち取って見事お化け屋敷を開催する権利を得たのであった
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仮想話(プロフ) - ぴくさん» ご指摘ありがとうございます、とても助かります！修正しましたm(_ _)m (2020年9月22日 17時) (
レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴく(プロフ) - 27ぺージのzmさんの表記がzwになってます！ (2020年9月22日 16時) (レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮想話 | 作成日時：2020年9月22日 0時
