エスポワール2 (ページ50)

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「うーぅん、ごめん。私寝てたね」

物音で起きたのか

ソファの上で伸びをするAに

照は近づき

その頭に軽く手を乗せた。

「また、仕事忙しいんだろ？

今日はゆっくり休みな。」

「やだ、まだもう少し頑張りたい。」

Aは起きたばかりで潤んだ目で

照を見上げる。

「もう少し頑張るの？」

「ダメ？」

「ダメじゃないけど。

無理してない？」

通常運転すぎるAが

照は少し心配だった。

そんな照に気づいたのか

Aはソファから身を乗り出し

照に手を伸ばした。

照が目線を合わせるように屈むと

りなは頬に手を添え、

触れるだけのキスをした。

「いつも、心配してくれてありがと。

でも、私無理してないよ。

今書きたいの。

すぐ終わらせるから。」

泣いていた11歳の少女ではない

誇り高きプロの作曲家がそこにはいた。

「あー、もう、分かった。

分かったから、そんな顔すんな。」

結局、折れたのは照の方だった。

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お話がいっぱいになりましたので

移行します。

エスポワール3

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