エスポワール (ページ34)

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「もー、涼介しっかりして！」

「ふふふふ、Aは相変わらず
図体のデカい奴が好きだよな。」

思う以上にこの会はお酒が進み

アルコールに弱い涼介は

文脈がめちゃくちゃになっていた。

照が支える横でAがペシペシと叩く。

タクシーに乗せると涼介は

Aの肩に頭を乗せ

眠ってしまった。

「もしかして、

俺を誘ったのってこれのため？」

呆れて照は笑う。

「それもそうだけど、撮られた時に

3人なら僕がジュニアだと思われるかなって。」

「えらくスキャンダルに敏感だな。」

正直利用された照は面白くなかった。

「あら、お忘れ？

宮野Aはスキャンダルによって

殺されたタレントですよ？」

Aはすまして答えてから

シートに身を沈めた。

「だから、週刊誌も

素直に自粛しちゃう事務所も大っ嫌い。」

僕は商品だから

しょうがないんだけど。

Aは笑ったがその表情は悲しげだった。

照ははっとしてしまった。

デビューが告げられたとはいえ、

照はまだジャニーズJrで

その覚悟はまだ持ち合わせてなかった。

「デビューって覚悟がいるんだな。」

「もちろんよ。

SnowManもすぐにデビューできるよ。」

私の永年の勘、とAは笑う。