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回想1 チャニョルside ページ18

オレは元々陽気な性格で、練習生だった頃も、すぐに皆と打ち解けて仲良くなった

でも、オレにも苦手な人がいた

それは、いつも無愛想で険しい顔をしていて、誰とも会話しようともせず、ダンスレッスンの時はいつもレッスン室の端の奥に陣取っている人…

それが、Aヒョンだった

ヒョンは身長が高いわけでもなく、むしろ低い方で、容姿だって端麗ではなく、至って普通

ダンスは目立つほどヘタクソで…

だから、すぐ辞めるだろうって皆思ってた

そして、オレもそう思ってた一人だった

けど、ヒョンの歌声を聞いてからは、そんな事を言う人はいなくなり、オレも思わなくなっていった

それでも、ヒョンは変わらず無愛想で険しい顔をしながらレッスン室の端を陣取っていた




「チャニョル君…だっけ?」




あれから一年ほど経ったある日

レッスンの休憩中にトイレに立ち寄ると、トイレにはヒョンしかいなかった

気まずいなぁ…(汗)

と思いつつ、少し離れた所で用を足していると声をかけられた



チャニョル『え?あ、はい…』

「いつも大きいなって思ってたんだ。
身長どれくらいあるの?」




カタコトの韓国語で、ゆっくり喋るヒョン

何で話しかけられたんだろう?と驚きつつも、質問に答えた




チャニョル『185cm…です』

「大きいね!
オレと15cmも違うんだwww」




フワリと笑うヒョンに驚いた

この人、こんな風に笑うんだ

ヒョンと出会って一年近く経つのに初めて見た




チャニョル『そう言えば、初めてですよね。
こんな風に話すの』

「え?ああ、そー言えば、そーだね…」

チャニョル『いつも端っこでレッスン受けてますよね。
何で端っこなんですか?
別にどこで受けてもいいんだから、何も端っこにいなくても…』

「あ、あの…」

チャニョル『はい?』

「ごめんね?ゆっくり、もう一度言ってもらってもいい?」




ヒョンは申し訳なさそうに眉を下げた

あれ?この表情見たことある…

もしかして…




チャニョル『あの…先生が言ってる事、聞き取れてます?』

「…ちょっとだけ?(汗)」

チャニョル『分からない時ありますか?』

「…結構(汗)」

チャニョル『ボク達と喋らないのは、喋らないんじゃなくて、喋れないからだったりしますか?』

「…うん(汗)」




この時、初めて全てが誤解だと分かった

ヒョンが険しい顔をしていたのは、言葉が理解出来なくて困っていたからだ

誰とも話さなかったのは、話せなかったからだったんだ、と…

回想2 チャニョルside→←インタビュー チャニョルside



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作者名:るーくす | 作成日時:2018年12月30日 1時

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