薄紅色の少女が織り成す冒険物語【ONEPIECE】 (ページ13)

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十三話ページ13

『スネイクさん、島はもうすぐですか？』

｢おう。シャボンディ諸島だ。ライアと出会った海から1番近い諸島だぜ｣

…シャボンディ諸島？？冥王に会える？？((

まさかシャボンディ諸島で下ろして貰えるとは思わなかったなぁ。うーん。レイリーさんに覇気の教えを乞うか？？それが一番得策かもしれない、いやでも厳しそう…。

｢本当にここで降りるのライアァ。｣

｢ウタ、しつこいぞ。｣

｢うう、だってぇ｣

島へ近づくにつれてウタちゃんがべそべそと泣きべそをかく。ウタちゃんは私より1つ年上の6歳らしい。喜怒哀楽がハッキリしている可愛らしい女の子だ。

お母様にも、私にも会いに来なかった父親(シャンクス)を許すとか許さないとかもうそんな感情はない。ウタちゃんとじゃれつくシャンクスさんをみて、彼は彼女の父親なんだと認識しただけ。

｢不安か？｣

『…いいえ。とても良い航海でした。ありがとうございます、乗せてくださって』

｢それはお頭に言いな｣

ホンゴウさんに怒られ、シャンクスさんに泣きつくウタちゃんを眺めているとベックマンさんに話しかけられた。

不安と言えば不安だ。当然だろう、私に運命(原作)が変えられるかどうか、みんなの命は私が握っているようなもの。けれども私は神様などでは無い。全ての命を救えるとは限らないんだ。

『…ベックマンさん、お母様はどんな人でしたか？』

｢…そうだな、俺の前ではワガママなやつだった。お頭には気丈に振舞ってたが中身は子供っぽかったぞ？あと耳を隠せば人間にしか見えないし、まぁだからこそお頭にはバレなかったが。｣

『そうなんですね…なんでベックマンさんはお母様がエルフ族って知ったんです？』

｢たまたま部屋を訪れたら風呂上がりで髪の毛を束ねててな、その時に知ったさ｣

『…お母様は少しだけ抜けてますから』

｢ああ、違いない。｣

静かな風が私の薄紅色の髪を攫ってゆく。

少しすれば、赤髪海賊団はシャボンディ諸島へ上陸した。私はウタちゃんと手を繋ぎ、紹介したい人がいるというシャンクスさんに着いて歩いていた。

もしかして…？

｢お、ここだな。｣

『シャッキーsぼったくりバー…』

予想は当たったらしい。