薄紅色の少女が織り成す冒険物語【ONEPIECE】 (ページ12)

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十二話ページ12

『光の盾(ライト･シールド)』

そう唱えれば私の身長くらいの大きさの白い光の盾が現れる。

お昼に魔法習得ができない分、夜にしているこの訓練はみんなが寝静まってからしか出来ないからだいたい夜中からスタートする。見張りはここのとこずっとベックマンさんらしく、見張り台から静かに見てくれている。

『光の弾(ライト･ボール)』

『光羅(ヴェイト)』

圧縮した無数の光の弾丸を作り出すライト･ボールに光の矢を形成する弓を作るヴェイト。

とりあえずの記憶の中にある下級魔法は一通り出来た。次は中級魔法。中級魔法には治癒魔法も含まれているけど、無意識に自分の傷を治せたのならすぐに出来るはず。

｢ライア？｣

『ッ！シャンクスさん？寝てらっしゃったんじゃ…？』

息を吐き、深呼吸をする。そしてまた魔法を繰り出そうとしたその時、後ろからシャンクスさんが声をかけてきた。

…気づかなかった。気配消されると困るな…覇気の訓練でもしないとダメなのだろうか、うーん。

｢目が覚めたんだよ。…なぁ、ライア。昼間に歌ってたあの歌…｣

『あれは私のお母様がよく口ずさんでいた歌ですよ。昔からの馴染みのある歌だったんです』

｢そうなのか…。俺も、昔の仲間から聞いたことあったんだ。もう今はどこにいるのかも分からねェけどな。｣

『…そうなんですね。』

その仲間は、きっとお母様のことなのだろう。お母様が海賊だったと聞いたことは無いしどうやって父親(シャンクス)と出会ったのすら分からない。でも、なぜかシャンクスのいう仲間がお母様であると確信があった。

｢ライア、この船に乗らねェか？｣

『…！私の意思は変わりません。』

｢そうかそうか！！お前は賢いもんなァ。ならそのやるべき事が終わればこの船に乗らねェか？｣

『…その時に。全てが終わり、私が生きていて、どこにも居場所がなく仲間もいなかったら、乗ってあげてもいいですよ。』

そうやって笑えば、シャンクスさんは目を見開いた。そんなに私が笑うのが珍しいのかな？？

『フフ。ベックマンさんの部屋に戻りますね？おやすみなさい、シャンクスさん』

｢あ、あぁ…おやすみ、ライア｣

(あの笑顔は、あいつ(ジェシカ)にそっくりだ_)