薄紅色の少女が織り成す冒険物語【ONEPIECE】 (ページ11)

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十一話ページ11

｢ねぇねぇ！！ライア！！歌おうよ！！｣

『…突然どうしたんです？ウタちゃん。』

赤髪海賊団に乗船して4日目。海が少しだけ荒れて島へ着くのは2日長引いた今日はベックマンさんの部屋で静かに読書をしていた時、大きな音を立てて扉を開けてきたウタちゃんに歌を歌おうと誘われていた。

私歌は得意じゃないからなぁ。どちらかと言えば作詞かな。ていうか前世の曲そのまま使えばこの世界でも通用するのでは？とか思ったりもする。

｢だって暇なんだもん！！それにアタシ知ってるよ！ライアがたまに鼻歌歌ってるの！！それも上手なやつ！！｣

それはお母様がよく歌ってくれていた歌の事だろう。今もお母様のことを考える度に歌ってしまうその歌は私の心の拠り所でもある。

『うーん…いいですよ。特別ですからね？』

｢本当！？ありがとうライア！！じゃあお外行こ！！｣

『え！？外ではちょっと…！あ、ウタちゃん！！』

グイグイと私の手を引っ張り甲板へと走るウタちゃん。それに抵抗できず一緒に入る私。途中で船内は走るな！とすれ違ったベックマンさんに叱られたけどそれすら無視するウタちゃん。

この子意外と図太いのかな…？？？

｢いい天気！！！ね、ライア！｣

『_______…本当に、そうですね』

晴れ渡るような空。澄み切った青い色の空。お母様の瞳とおなじ色。

思わず笑みがこぼれていたのだろう、ウタちゃんが目を見開いて私の顔を食い入るように見ていた。

｢…ライア、笑ってる方がいい！！私、笑ってるライアの方が好きだよ！！｣

『…！！…フフ、ありがとうございます、ウタちゃん。』

そう笑うウタちゃん。お母様も同じことを常によく言っていたなと思い返し、また笑みがこぼれた。

｢ねぇ！ライアの歌聞かせてよ！！｣

『_______♪』

それは切なく恋しく、愛おしいと想う歌。たとえどんな事があっても、どんなに悲しいことが起こり、引き裂かれても。あなたの事をいつまでも見守り、愛しているという歌。

私を産み、育ててくれた大好きなお母様。私は生きてお母様は死んでしまいもう二度と会うことは無いけれど、私はいつまでもお母様を想っている。

歌声につられいつの間にか甲板に集まった赤髪海賊団のみんなに気づかず、私はその歌を歌い続けた。

_______赤髪の彼が、その歌を聴いて少しだけ肩を震わせていたことに気づかないまま。