【w.r.w.r.d】何もしてません【学パロ】 (ページ6)

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「...あっ、Aちゃん」

『えっと、シャオロンさん...ですよね？いつもつむぎちゃんといる...』

うわぁ、話すの初めてだよ...。
だっていつもつむぎちゃんといるし、近づけないしで何気に話したことがなかった。いや、正確に言うとつむぎちゃんの近くにいる男子に近づいたり話したりしないという暗黙のルールが決まっていた。

...でも、きっとこうして本人が私に用があるなら、ルール違反にはならないよね？

「そ、そう！シャオロンやで、よろしくな！」

『えっ、あ、はい...』

パッと顔を明るくしてにへ、と笑った。
それがとてもなんか子犬っぽくてなんだか心がくすぐったい...？感じがした。ちら、とつむぎちゃんを見るとまだ話に没頭してるみたいで気づいていない。

ほっと安心して、再びシャオロンさんに向き合う。

シャオロンさんは落ち着きなく、目を右へ左へ動かす。...それどころか、目を合わせてくれない。
嫌われてるのかな...？

『あの、シャオロンさん。大丈夫ですか？なんだか変ですけど』

「へ、ああ、ごめん。なんでもないで！」

いや、明らかに様子変だよ？
そう言いかけそうになったのをぐっと抑えて、「それでどうかしたんですか？」なんて言って見る。案の定、びくりとシャオロンさんは反応した。

「あー、その、」

『もしかして、つむぎちゃんに用ですか？呼んできますよ』

「ちゃ、ちゃうねん！」

あたりがシン、と静まり返った。
いきなり大きな声をシャオロンさんが出したもんだからみんな黙り込んだ。当の本人はやってしまったという顔で固まっている。

私は、全身に冷や汗をかきながらきっと私を睨みつけているのであろうつむぎちゃんの姿を思い浮かべていた。

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