【w.r.w.r.d】何もしてません【学パロ】 (ページ30)

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Didn't 29 ページ30

＊

屋上。
彼女の本性を初めて見て、脅されて、彼女への印象が一瞬にして崩れ落ちた場所。あの日のような生ぬるい風が頬に当たって、何だか懐かしい。

つむぎはそんなこと全く覚えていないそぶりで、悠々と進んでいく。
目の前にはそんな彼女の幼馴染が揃っていた。背中がピンと無意識に伸び、一歩一歩が重く感じられる。

つむぎはくるりとこちらを見ると、にっこり笑って。

「これでおしまい」

そう呟いた。
その直後、そんな彼女を遮る形でグルッペンくんが口を開いた。もう、あの怪しげな笑みも、何もかも取っ払った顔で、私を見る。

「...呼んだ理由に、心当たりはないか？」

『つむぎさんの件ですよね、絶対』

絶対、という言葉を強調して、答える。
わかってるじゃないか。そんな顔で頷いた彼は、私に近づいて左手をつかんだ。もう血は止まったけれど、微かな痛みを放つ傷は私の腕に痛みを走らせた。痛い。

うめくと、彼はパッと手を放して、「すまん」と謝った。

「とりあえず、傷を見せてもらえるか？」

『...いいですけど』

「ちょっとグルちゃん。そんなことしてないで、さっさと言ったら？本当のこと。時間の無駄じゃん」

「つむぎは黙ってろ」

「...！」

つむぎには目もくれず、あの低い声でつっけんどんに言い返した。するり、と包帯を外せば、その傷をじっくり見てから、あの怪しげな笑みを浮かべて呟く。

「...なるほど。やはり、そうだったか」

『何がでしょう』

「気づかないのか？

つむぎ、お前だろう？Aを傷つけ、退学にしようとしたのは」

＊