【w.r.w.r.d】赤字ニキは今日も気づかない。

Also today 27 ページ29

＊



そうして作業が終わったところでゲームを起動。
某イカゲーをしながらのんびりと近況報告をする。ちなみにこう見えて俺はこのゲームのガチ勢だ。...最近はできてないけど。

しかしながら、俺が村田にゲームで勝てるのはこれだけであり、他のゲームは人並みにはできるが村田に勝てるものはない。


『っしゃあ、勝ちー！』

「あああ、なんで勝てへんのや...！」

『まぁやり込んでますし？』

「じゃあお前だけ縛りありな？」

『えっ、それはないんじゃないですか村田サーン？明らかに俺が不利...』

「や り 込 ん で る ん や ろ ？」


はい...。
尻すぼみの声で目線をズラす。こいつ...俺が縛りしてって言ったら速攻断るくせに。

結局苦手なブキで挑むことになってしまった。泣きそう。
うんうんと唸りながら選んでいると、ピンポンとチャイムがなった。...村田のことだから、ピザとか頼んだろうなぁ。

そう思って、ジッと画面とにらめっこしていると。


「ゾム...！なんやあのメールは！こちとら眠ってたんじゃボケ！！」

「うわバカ！お前、大きい声で言うなって！！」

「なんやなんや、大先生。話に追いついていけんのやけど」


『...ゾム？』


苛立った声と焦る声、そして困惑した声。
そして、聞き慣れた名前。

その言葉を国民である俺が聞き逃すはずもなく。

気づけば、頰を紅潮させて玄関へと走っていた。少しの期待を込めて、ドアを開けるとくたびれたスーツ姿の男性と珍しくユニフォームを着た男性、村田が小声で話し込んでいた。




＊

Also today 28→←Also today 26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す