ポジティブ12 ページ14
*
バクバク逸る心臓を掴むかの如くギュッとワイシャツを握る。
スーハースーハーと深呼吸。心の中で落ち着け、大丈夫だと自分に言い聞かせる。
ぐっと目線を上げて、誰にも会いません様にと切に願いながら教室のドアに手を掛けた……のとほぼ同時。「なにをしている」って一言が背筋を凍らせた。
後ろに首を回せば紫紺の瞳で見下して来るクソ生徒会長サマがいて。
「ここは君の様な者が立ち入って良い場所ではないが?」
淡々としたその言葉にグッと胸が締め付けられる感覚。それは気の所為と否定するかの様にニッコリパーフェクトキューティクルスマイルを浮かべた。
『そんな事言わないでよ〜!あーんなに仲良くしてくれてたんだしさぁぁぁ!!!!』
「生憎だが僕は君然り他の奴等然り、手下又は使い勝手の良い犬だと思って接してはいたが友人だと思った事はない」
退け、とでも言う様に教室を開けて中へ入り、きっと今日明日使う書類やら教科書やらノートやらを鞄から取り出す学秀。『つれないなぁ』なんて言いながら今日はもう諦め様かと踵を返し───「それで?」と声がかかる。
「こんな早くから君は一体なにしに
……もう君をここで見かける事はないかと思っていたんだが」
真っ直ぐとこっちを見て問いてくる学秀にうるっと涙腺が緩む。
なんだかんだ言っても学秀はツンデレだから……やっぱり私の事が大好きで忘れられなくて今もこうしてめちゃくちゃ話したがってるのがもう手に取る様に判る。「心の声漏れてるぞ」なんて声はもう全然聞こえない知らないワタシワカラナーーーーイッッ!!!!
最初の緊迫感は何処へやら。停学前と変わらない雰囲気に懐かしさを抱きつつ一息吐いて一息吸って……吐き出した。
『
「……預かってはいたが……まさか取りに来るとはな。
必要なのか?」
『んーーやっ!要らないっちゃ要らないんだけど……初めて書いたからさ。残した儘ってのはなんか心苦しくて……ってか黒歴史になりそうで……』
「生きてるだけで黒歴史を生み出すお前がそれを言うのか」
『酷くない?!私をなんだと思ってるの?!?!』
明らかなオーバーリアクション。それを眼前にしても微動だにしない学秀の表情筋はどうなってるんだ。なんなら呆れた様に「まぁ良い、僕が持っていても無駄なだけだ」なんて言われて深く傷付いたのはここだけの話。
___*
228人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サヤ(プロフ) - 磯貝に食べられそうな金魚さん» えー!!!嬉しいですありがとう御座いますーー!!!こんな……こんなやかましい綾瀬ちゃんを愛してくれてありがとう御座います!!!めっちゃモチベ上がる!!予定では今後も業君可愛くなってくので末長くお願いします! (5月26日 23時) (レス) id: 888ceb6036 (このIDを非表示/違反報告)
磯貝に食べられそうな金魚 - 夢主ちゃんのテンション…好きぃぃぃぃ!!いや、こういう女の子大好きタイプてぇてぇじゃん!!何?え、夢主ちゃん天使じゃん!!…やべ…… (5月26日 23時) (レス) @page13 id: 28e7d0c472 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - 増田さん» ……ケアレスミスか……。 国語苦手なんだよなぁ…。増田さんには迷惑掛けっぱなしで申し訳ない (2016年12月22日 23時) (レス) id: fd9cf3b3b1 (このIDを非表示/違反報告)
増田(プロフ) - あと、今更ですけど23話の渚と話してるところ、一様じゃなくて一応だと思います。“よ”じゃなくて“お”だと、、、 (2016年12月22日 21時) (レス) id: ccad45b719 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - 増田さん» トマトとピーマンと人参以外は…… 心配アザッス!! (2016年12月19日 21時) (レス) id: fd9cf3b3b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サヤ&アヤ x他1人 | 作成日時:2016年11月27日 8時