傷のピアスpart2

78話 ページ32

急に大声で声をかけたからみんな驚いた顔をしてこちらに顔を向けた

息があがって、うまく声がでない。

でも言わなくちゃ。

統「どうし「ごめんなさいっ!!」

統牙の言葉に被せて言う

みんなが目を見開きながらこっちを見る

考えちゃダメだ。思ったこと全部言わなきゃ。

「私…みんなと一緒にいた時、楽しくて心地よくて、いつの間にか何でも話せるようになってて、私の中では大きな存在だった。初めて、劉ちゃん以外に家のことを話した。話すのは少し怖かった。暗い話をして気を使わせるんじゃないかなって。それでもみんなは傍にいる、味方だって言って無理して笑うなって言ってくれた…嬉しかった…」

思ったことを次々に口にしていく

上手くまとまってるかわからない

でもそんなのどうでもいい

「統牙と付き合って、幸せで、それなのにデートの約束に来なかった時、自分の中で答えを出して統牙と話もせずに逃げた。それで勝手に母親と統牙を重ねていって、そんな時武智の優しさに触れて、嬉しかったのに同じ思いをしたくなくて目を背けてた…。傷つきたくなくて、何もわからなくなって、みんなにひどい事言って自分から突き放して…それから…えっと…」

早くもっと大事なこと

伝えなくちゃ

それなのに目から零れる涙は止まることなく

ボロボロと頬を伝っていく

喉が締め付けられる感覚

苦しい

伝わってるのかな

うまく言えてるかな

「あの…ﾋｯｸ…それで…えっと…」

ジャリｯ

と地面を踏む音がして

その音はどんどん近くなってきて

私のそばで止まる

みんなの気配がすぐ近くに感じる

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