傷のピアスpart2

73話 ページ27

あの後、武智とみんなの所に戻ると丁度雨が止んだ

解散した後、劉ちゃんと帰る

すっかり暗くなった道を2人で歩く

武智に本音を打ち明けてから、

自分が今までしてきた事を振り返った

(劉ちゃん…私のために気分転換って海に連れ出してくれたんだよね…)

チラッと横を歩く劉ちゃんを見る

「あの…劉ちゃん」

劉「んー？」

小さい頃から変わらない優しい顔

「今日はありがとう…」

劉「ははっ!どうした？朝はあんなに尖ってたのに笑」

「えっと…その…」

びっくりするよね。あんなに冷たく振舞ってたのに…いきなりお礼なんて…

劉「なぁ。A。」

「なに…？」

劉ちゃんの声が少し低く、真剣な声色になる

劉「俺は小さい頃からAの近くにいたじゃん？だからさ、隠し事してる時もすぐわかった。でも、いつからか、いつも笑ってるAを見て、勝手にこいつは大丈夫だって思ってた。」

劉ちゃんは私と目を合わせることなく前だけを見つめて話す

劉「中学入って、統牙達に出会って楽しそうでさ。だから、体育祭の時気づいてやれなかった。おじさんに会ったんだろ？由井達から聞いた。ごめんな。」

「なんで劉ちゃんが謝るの…」

劉「お前の事見てきたポジションにいたのは俺だろ？親の事なんか特に俺が1番わかることだ。それなのにAが変わるまで気づかないとか、幼馴染みとして情けないよな。」

「そんなことないよ…。」

劉「そんなことあるのー。」

そう言って劉ちゃんは悲しそうに笑った

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