That makes him envious. <Ryo Nishikido> (ページ7)

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亮の言葉に私は素直に返すことはできない。
亮と向き合うことは自分にも向き合うことになる。
それがとても心苦しいのだ。

「何で俺の彼女こんな自信ないんやろ」
『何でだろうね、彼氏が完璧だからじゃない？』
「ほらまたそういうこと言うやん」
もうこんな時間やし帰ろか
亮は先に立ち上がり手を差し伸べる。
私はその手を握り歩き出す。

こうやって手を繋いで帰るのは久しぶりだった。
すっかり真っ暗になった道を歩く。
「いつもの公園におると思ってたから焦った」
「ほんまにおらんってなった」
『いつものとこにも居たんだけどね、
もうちょっとぼーっとしたくて…
久々の反抗期です』

家に帰るまでの20分、ここまで走ってやって来てくれた亮には感謝しかない。
部屋に戻って先にシャワーを浴びて、
亮が後に入って濡れたままの髪を私が乾かす。乾かしやすいようにソファではなく、床に座りながら乾かす。

同じ髪の匂いも最初はドキドキしたけれど、
今ではすっかり当たり前になった。
『いつから一緒に住むようになったっけ？』
「もう一年くらいちゃう？」
『早いね』

そういえば付き合う前はもっと遊んでいたらしい。私自身そこまでクラブとかにも興味もないけど、否定もしない人間なんだけど、私と知り合ってからは女遊びはなくなったらしい。そういう変化を後々知れて、ちょっと嬉しかったりする。

付き合うようになって、そして一緒に住むようになって連絡の頻度はちょっとだけ増えた。遊びに行って帰りが遅くなりそうな時とかには入れるように約束した。
理由は何だっけな、一人だったら晩御飯作る必要がなくなるからだった気がするけど。

全く束縛しない私と、ヤキモチやきの亮では連絡の認識は全く違うんだろうなと思う。
私が連絡を忘れそうになると、今日は遅いん？とかマメに入って来てそういう所が亮らしいな、なんてすっかり乾いた亮の髪をくしゃくしゃにしながら思う。

だからこそ今日私が連絡を入れずに安田くんとご飯に行ったことは心配しいの亮にとっては、とても嫌なことだったに違いない。