大切なのは、( ito ) ページ13
「〜〜♪」
もうすぐ始まる全国ツアーのリハもそろそろ佳境時。
今日はなんだかAがご機嫌そうだった。
「ねぇ、せりなんかご機嫌じゃない？」
「え？そう？」
無自覚らしいけど。どっからどう見たって機嫌がいいと私は思う。
「ん〜今回のツアー、ハモリ多いからかな？」
「ああ〜」
なるほど、なんて納得。
メインボーカルだけど、主旋律を歌う以上にハモるのが大好きらしくって。まぁ、それってちゃんと音取れてないと出来ないことだから。それだけAに実力があることがわかる。
「男子メンの上とか下をハモってるのが気持ちいいの」
「私、それ分かんないなぁ」
今でこそ慣れてきたけど、やっぱり主旋律につられてしまったりとかするから。
「ねぇ、一番ハモってて気持ちのいい曲は？」
「んーそうだなぁ」
宇野ちゃんの問いにちょっと考える仕草をするA。ちょっと考えたのちに口ずさんだメロディ。
「−− Flavor of kiss 〜……かな」
「ああ、歌ってて確かに気持ちいいよね」
私もこれは好き。リズムすごい難しいんだけどね。
「私、せりが羨ましい」
「え？」
心のそこから思うこと。私にはないもの、いっぱい持ってるから。
「歌、ほんとに上手いと思うから。私がいくら頑張ったって、せりには届かないもん」
「ありがとう、千晃ちゃん」
妬みとかそういうんじゃなくて、純粋に思うから。
ＡＡＡの不動のメインボーカル。リーダーとにっしーと、それからAの三人。それはずっと変わらないと思うし、変わって欲しくないと思う。
「でも、さ。私思うんだよね」
「ん？」
「ある程度はやっぱり人に届ける立場だし、技術も必要だと思うけど…」
Aはとってもにこやかに笑っていて、
「自分が好きだと思って歌う歌は、聴いてる方にも気持ちよく伝わると思うんだ」
だから、千晃ちゃんが好きだと思って歌う歌は、きっとみんなも好きだと思ってくれてると思う。なんて……。
「私は、私が好きな歌を、みんなにも聴いてほしいと思うから」
なんだか、ストンと胸のうちに降りた気がした。
Aは歌うのが好きだから、その想いをいっぱい乗せているから。こんなにも気持ちよく聴こえるのかと。
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宇野ちゃん好きな人、申し訳ございません。
ここではメインボーカルは主人公とさせていただきます。
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ひとみ(プロフ) - おはようございます！このホッコリした感じが大好きです！ (2017年9月10日 7時) (
レス) id: ec792115bc (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - ありささん» コメントありがとうございます！出来るだけ平等に更新できるよう頑張ります！ (2017年8月13日 23時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - わ！新作2つ書いてくれたんですね！大変だと思いますが更新楽しみにしています！ (2017年8月13日 19時) (レス) id: e850567e17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオイ | 作成日時：2017年8月13日 10時
