Episode 80.5 Side to Nishijima ページ35
Episode 80.5 Side to Nishijima
そう思ったとき、
十代の頃から追いかけて来た夢と、もうひとつ。
叶えたい夢ができたんだ。
「でもね、最近もう一つ夢が増えたんだ」
ギュッと抱きしめた腕の力はそのままに、Aの肩口に顔を埋める。
「夢?」
Aだって、ちゃんと言ってくれたから。
俺もきちんと言葉にしなければと、自分に言い聞かせる。
この体勢で良かったなんて。
バクバクいってる鼓動を落ち着かせるように深呼吸して、再び口を開いた。
「−−−俺、Aと幸せになりたい」
え?とAが俺の方を振り向くまでの数秒。
その数秒がとても長いものに思えた。
緩んだ腕の中で振り返ったA。
バチッと合った真剣な瞳から目を逸らさないようにして。
「俺、Aが好き。Aと一緒に幸せになるのがもう一つの夢。…叶えてくれる?」
「…そんなの、決まってるよ」
Aからの返事はすぐ返ってきた。
そう答えた彼女は柔らかい笑みを浮かべていて。自然と俺も笑顔になる。
「…西くんの夢は、私の夢だもん」
だって、と返ってきた言葉は、十代の頃に話していた約束を言い換えた言葉。
全く、本当にAには敵わないなぁ…なんて。
「ふふ、なにそれ」
「あの日にも言ってるはずだよ?」
そうだったな、なんて言いながら、
自然とお互いの距離は近づいていって。
「西くん、大好きだよ」
そうやって、俺に抱きついてきてくれる彼女をよりキツく抱きしめ返す。
段々と近づくお互いの距離が遂にゼロセンチ。
俺たちはきっとお互いに隣に居なくてはならない存在だと確かめ合うように。
もう絶対離さねぇからな、と誓いのキス。
俺たちにとっての、二度目のキスをした。
「左の薬指、俺のためにあけとけよ」
「ふふふ。なにそれ?プロポーズ?」
「うっせー。悪いかよ、予約だ予約。で、あけといてくれるの?」
「当たり前でしょ」
こんなやり取りだって、幸せ。
今すぐには無理だけど、きっと近い未来に。
飛びっきりの言葉と本物を用意するから。
「A、あいしてる」
-
リクエストありがとうございました!
最後のお話、西くんサイドです。
次の更新は二人のその後のお話の予定です!
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アオイ(プロフ) - 莱伽さん» コメントありがとうございます。昨日!!たくさんの作品のなかから選んでください頂きありがとうございます!!話数も多いのに嬉しいです。リクエストありがとうございます!!遅くなるかも知れませんが書かせていただこうと思います! (2017年8月7日 0時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 結菜さん» いつもありがとうございます!!!無事完結までもってこれました!いつも読んで下さっていた結菜さまのおかげです!!リクエストかしこまりました!考えますので暫しお待ちください〜! (2017年8月7日 0時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 春奈さん» いつもコメントありがとうございます!キュンキュンしていただけて良かったです!!!次作、番外編考えておりますのでもう少しお待ちください〜!これからもよろしくお願いします! (2017年8月7日 0時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - はるかさん» コメントありがとうございます!ありがとうございます〜!私も無事完結させることができて良かったです。期待に応えられるようがんばりますね!!これからもよろしくお願いします! (2017年8月7日 0時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - なーさん» コメントありがとうございます!MAMA知ってる方に出会えて嬉しいです!!リンクしてますか!?ありがどうございます、そう言っていただけると嬉しいです!!私も好きすぎて!思わず話が浮かんだので書いてしまいました(笑) (2017年8月7日 0時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオイ | 作成日時:2017年7月20日 22時