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Episode 77 ページ29

Episode 77 玲花サイド







隆弘からもうやめようと話があって、
私はその矛先を尾上Aに向けた。

尾行したり、脅迫文を送りつけたり。
でも引かない彼女に怒りしかわかなかった。









「あんたのせいで隆弘に振られたんだけど」


「なんで私のせいなんですか?」


「あんたがいつまでも隆弘の傍を離れないからよ!」








ある日、遂に我慢ならなかった私は仕事から帰ってくるだろう尾上Aを待ち伏せることにした。

隆弘が私の傍にいてくれないのは
尾上A、あなたが居るせいだと決めつけて。

あなたさえ居なくなれば、きっと−−−と
どこかで思ってたことろはある。

だって、昔は一緒に居てくれたじゃないの。








「…すきだから、傍に居るんです」


「きっと、私が居なくたって……もう、西くんはあなたの隣には行きませんよ」








ズバリと言い切られて悔しかった。
そんなにも素直に好きだと言い張れるのが羨ましかった。

だって、私が隆弘の存在の大切さに気づいたのは。
隆弘を酷く傷つけたあとだったから。

でも無駄に高いプライドと自分の中のなにかが邪魔をして素直になれなかった。

だから、自分の本当の気持ちを隠した。
なかば脅してでも、形だけでも昔のように留めておきたかった。








「西くんを脅して傍に置いてて、楽しそうにしてたことありましたか?西くん、笑ってましたか?」


「それで…皆木さんは満足しましたか?」






そうやって無理矢理傍に置いたところで
虚しさは消えなかった。

隆弘は昔のようには笑ってくれなかった。

本当に形だけが手に入っただけ。
心も身体も、私の隣にはなかった。

それでも、好きだという気持ちは変わらなかった。
どうしても手に入れたかった。

小さいころから、欲しいと思ったものは特に苦労することなく手に入っていた。








「さっきから黙ってれば言いたい放題だけど…!好きな人には笑っててほしい!?そんなことを心から思えるような綺麗な人間じゃない!私は…!好きなものは意地でも手に入れなきゃ気が済まないの!」








だから余計に躍起になっていたのかもしれない。
手に入らない隆弘が欲しくて堪らなかった。

たとえ、どんなことをしてでも。

気付けば正々堂々と好きだと言う彼女の頬へ、
右手が振りあがっていた。

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アオイ(プロフ) - 莱伽さん» コメントありがとうございます。昨日!!たくさんの作品のなかから選んでください頂きありがとうございます!!話数も多いのに嬉しいです。リクエストありがとうございます!!遅くなるかも知れませんが書かせていただこうと思います! (2017年8月7日 0時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 結菜さん» いつもありがとうございます!!!無事完結までもってこれました!いつも読んで下さっていた結菜さまのおかげです!!リクエストかしこまりました!考えますので暫しお待ちください〜! (2017年8月7日 0時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 春奈さん» いつもコメントありがとうございます!キュンキュンしていただけて良かったです!!!次作、番外編考えておりますのでもう少しお待ちください〜!これからもよろしくお願いします! (2017年8月7日 0時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - はるかさん» コメントありがとうございます!ありがとうございます〜!私も無事完結させることができて良かったです。期待に応えられるようがんばりますね!!これからもよろしくお願いします! (2017年8月7日 0時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - なーさん» コメントありがとうございます!MAMA知ってる方に出会えて嬉しいです!!リンクしてますか!?ありがどうございます、そう言っていただけると嬉しいです!!私も好きすぎて!思わず話が浮かんだので書いてしまいました(笑) (2017年8月7日 0時) (レス) id: 3a4d04a186 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アオイ | 作成日時:2017年7月20日 22時

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