君の夢は、私の夢。(３)

Episode 75 ページ27

Episode 75








マンション前に立っていたのは皆木玲花だ。
近々、直談判しに行こうと思っていたが、その手間が省けそう。








「あんたのせいで隆弘に振られたんだけど」


「なんで私のせいなんですか？」


「あんたがいつまでも隆弘の傍を離れないからよ！」








そう叫ぶように言い放つ皆木さん。
あの写真を出してきて、流されたくなかったら隆弘と離れてと言う。








「…すきだから、傍に居るんです」








西くんのことが、すきだから。
西くんと居るのが落ち着くから。

ラブやライクの境い目がなくったって、お互いに好きあってて隣にいる。

今も、きっと昔…上京する前も。

だから、離れたくないって思う。私のこの想いが叶わなくたって。







「きっと、私が居なくたって……もう、西くんはあなたの隣には行きませんよ」


「なんでそう言いきれるのよ！？」


「あなたが、正面からきちんと西くんに向き合わないからです」


「はぁ？」








西くんから、当時のことを聞いたんだ。
皆木さんとまだきちんとお付き合いしてたころのこと。

昔はちゃんと好きだった。
遊んでいるという噂があるのを知りながら、西くんはきちんと皆木さんを信じてた。

でも振られて、やっぱり遊ばれていたことを知って、相当ショックを受けたと言っていた。








「一度裏切られたものを再び信用するのって、そう簡単に出来ることじゃないです。自分から裏切っておいて、やっぱり好きだからなんて、都合が良すぎます」


「私は！裏切ってなんか…！」


「裏切ってますよね、西くんのこと。西くんの真剣な気持ちを、」








当時、皆木さんは西くんと付き合って居ながらも他に二人も遊んでいる男が居たそう。
そして、当時の皆木さんの一番はその二人のどちらかだったと。








「でも、今は皆木さんも西くんのこと…ちゃんと好きですよね。なら、なんで…なんで！正面からぶつからないんですか」








脅したって、手に入るのは形だけ。
結局のところ、心は自分のものにはならなくて。

虚しく感じるだけ、だと思う。









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こんばんは。
夜遅くの更新、申し訳ございません。

そろそろ佳境時です。
スピード感、大事にしたい所ではあるので次の更新で一気に完結に持っていきたいところではあります。


そして…次作のことなんですが、
芸能人×芸能人 と メン入の二作ありまして…皆様どちらが見たいとかありますか？

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