かわいいイタズラ Shuta side ページ10
「10周年っていう節目でしょ。だから、めちゃめちゃ格好いいのが作りたい」
だから私に任せてもらってもいいかなって、かって出たのはやっぱり葵郁で。今年の冬のこと。あれから何度か打ち合わせをして俺たちの意見を乗せていく。思ったのは葵郁が考える演出って、ほんと綿密。細かいところまですごい考えられてるからイメージがしやすい。
「え!オープニングめっちゃカッケェ」
「まじか。すげー」
そんなこんなで今日はゲネプロ。その前に葵郁がずっと見せてくれなかったオープニング映像をみんなで見た。
「あの撮影、こういうことだったのかよ!」
もう実際にステージ組んでるから、照明も全部本番そのもの。撮影もどんなのになるかあまり知らされてなかったから、この衝撃はでかい。
「ありがと」
そうにっこりと笑う葵郁の頭をぐしゃぐしゃにする。
「ちょっと!秀太!」
「ん?」
「せっかくセットしてもらったのに!」
「ごめんって」
「もうー」
スタイリストさんのとこに走ってく背中を見送って。
「葵郁ってやっぱすげー」
「だろ?」
「何で西島が得意そうなんだよ(笑)」
「えー俺の葵郁だから?笑」
「にっしーの葵郁じゃないし!私のだし!」
「そうだよ!男子たちにはあげないんだから!」
みんなで葵郁を取り合いするのはいつものこと。ほんとうちのメンバーは葵郁だいすきマンしか居ない(笑)
「何話してるのー」
スタッフさんに髪を直してもらった葵郁が俺たちのところへ戻ってくる。
「ん?葵郁のことだよ」
「え、なにそれ気になる!」
「葵郁がかわいいって話」
「みさ姉とちー姉のがかわいいよ」
「いや貴方もね」
照れ笑いをしてる葵郁は可愛くてしょうがなくて。
「さて、じゃあゲネプロ行きますか!」
「うん」
直也くんの一言でスイッチが入る俺たち。スイッチが入っちゃえばそれからは順調だ。
「特効のリハいきまーす」
「え、これ音ならない?」
「……鳴らない…かな」
最後はライブの盛り上がりに重要な特効のリハ。葵郁とスタッフさんが音鳴らないって言ってるけどマジ?
「秀太怖いの?笑」
「ちげーけど」
スタッフさんの合図でステージ上にある特効装置が稼働する。
「音鳴るやんけ!!!嘘つき!!!」
「あはははは(笑)」
からかわれたのかって今になって思う。なんだよ、かわいいかよ。でも笑い転げてる葵郁、あとでしめる。
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作者名:アオイ | 作成日時:2016年10月28日 1時