君の声に会いたいが加速する ページ7
『なぁ〜…』
「どうしたの?」
朝8時すぎ。最近、朝は早く起きてゆっくりと過ごすのが好き。今日もゆっくりしていたら電話がかかってきて。あれいまそっち深夜じゃないっけって。まさかの国際電話。
『いま時間大丈夫?』
「うん」
2日前くらいからレコーディングでスウェーデンに行ってるたかくんからの電話だった。
『あ〜葵郁〜』
「だからどうしたの?」
『やっぱ電話しなきゃよかったかな…葵郁に会いたくなったわ』
って、いつもより少し低い声にちょっぴりドキッとしたのを抑えて、別にすぐ会えるでしょ〜なんて可愛くない返事をする。
「で、どうなのそっちは?」
出発する前に楽しみ半分、不安半分。なんて言ってたたかくん。でも絶対良いもの録って帰るからって。
『うん…まず、……さみぃ』
「うん(笑)」
向こう、こっちの真冬より寒いもんね。
「風邪引かないでよ」
『おう。で、やっぱ言葉通じねぇのはキツイ。伝えたいことの半分も伝えられない』
「たかくん英語喋れないもんね」
『うっせ(笑)あー葵郁に通訳で来てもらえばよかったかな』
「私にだって仕事あるんだけど」
わかってるって。ってたかくんが言ってて。
『でも、こう…わかんないなりに一生懸命伝えようとあれこれやってるのがすげー楽しくてさ』
「うん」
『早く葵郁にも聴いてほしい』
「うん、待ってるから」
それから他愛のない話をしてたら、いつの間にか時間が経っていて。もうそろそろ切らないと。たかくんの声だって相当眠たそうな声に変わってる。
『んー…眠ぃけどもうちょっと』
「起きれなくても知らないよ」
『こっちまできて遅刻はしない…』
「どうだか(笑)」
駄々を捏ねるように話してるたかくんに付き合いつつも、家を出る準備をする。
『なぁ…葵郁……』
ん?って聞き返そうとすれば、トサッと携帯が落ちるような音。次に聞こえてきた静かな息づかい。あ、寝落ちしたなアイツ。クスッと笑ってそっと通話を切る。その後こちらからもう一度かけて、留守電になるのを待った。
「…たかくん。レコーディング頑張ってね。帰ってきたら一番に聴かせて?……じゃ、おやすみなさい、たかくん」
-
アルバムのDVD見ててこんな会話があったらなぁと思いました。
season 3.閲覧、評価ありがとうございます!
これからもよろしくお願い致します!
末っ子に弱い俺たち Mitsuhiro side→←ゴキゲンな理由。Misako side
402人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アオイ | 作成日時:2016年10月28日 1時