good day ＊season3 (ページ44)

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息ピッタリなふたり Mitsuhiro side ページ44

今日は夕方からの集まりで。昼過ぎまで仕事だった俺はそこから直で楽屋にきた。一番乗りかと思えば、扉の出窓から見える二つのシルエット。

「にっしまと葵郁？」

２人の手にはアコースティックギターがあって。そういえば２人とも弾けるんだっけかと納得。聞こえてくるのは出逢いのチカラ。

「～～～♪」

「～♪」

ギター片手に弾き語ってる２人は満面の笑みで。めちゃくちゃ楽しそうだ。そして打ち合わせすらしてないだろうけどぴったりハマってるハモリ。なんだこれ。アイツら、

「すげーな」

横から声がして一瞬ドキリとした。俺の横から２人をじっと見つめてたのは直也くんで。

「び、ビビった～」

「日高がドアの前で固まってるから何事かと思ったんだよ(笑)」

ケラケラと笑ってる直也くんだけど、その視線は２人に釘付けで。

「本当、アイツらの上手さには感服だよ」

そんな話をしながら完全に入るタイミングを失った俺ら。このドアノブを回して入っていけば良いだけだけど。この綺麗な歌声をまだ聴いていたい気もして。直也くんとどうする？どうする？なんて目で会話していたら、

「おはよー」

「やほー！」

みさちあ、女子２人がやって来て一気に騒がしくなる。思わず、シー！なんてジェスチャーしてしまったり(笑)

「？」

「……出逢いのチカラ？」

聞こえてくる歌声に気づいた宇野。

「さっきからずっと弾き語ってんの、アイツら」

「しかも完全耳コピ」

「あまりにも楽しそうだから俺ら完全に入るタイミング失ってさ(笑)」

ドアの前で４人。張り付くみたいに聞き耳立ててるのはおかしな絵面で。

「絵になるねぇ」

「さすがうちのフロントマン」

元から持ってるものもあるだろうけど、それ以上に努力してるのを俺たちは知ってるから。

「何してんの？」

「みんな揃ってどうした？」

遂に真司郎と秀太も揃って、全員で扉の前集合。本当何やってんだか(笑)

「聞き惚れんのはええけどもうすぐ時間やで」

「じゃあ真司郎開けろよ」

「えーいやや」

「なんでだよ」

「ここは女子が」

そんな言い合いをしてたら音が止んだことに全く気づかなかった俺ら。向こう側からガチャっと扉が開いて。葵郁が顔を出してくる。

「みんなそこで何してるの？」

「はははっ、みんなずっとそこに居たよね(笑)」

２人とも気づいてたんかい！なんて和気藹々とするとある収録前。