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風邪っぴきの青 ページ42

久々のオフ。出かけようと真ちゃんと約束していたので準備をしていたところに、着信。



「はーい、真ちゃん?」

『葵郁?』

「うん、どしたの?」

『ごめん、熱出てもうた。今日無理や。ごめん』

「え!?熱?大丈夫なの!?」



あの健康オタクな真ちゃんが熱って…と思ってしまうけど、声は確かに辛そうで。



「私、今から真ちゃん家行くね!」

『うつすかもしれやんからいいって』

「だめ!よくない!」



そうやって言いくるめて電話を切った。冷却シートや薬など持って家を出る。私の家から真ちゃん家はそんなに遠くなくて。割とすぐついた。申し訳ないけど開けてもらってお邪魔する。



「真ちゃんー」

「葵郁、…ごめんな今日」



辛そうに玄関までやってきた真ちゃん。そういうのいいから!と寝室に押し込む。一言断って額に手を当てれば、そこは熱すぎて。



「あっつ!熱は?」

「38.5」

「薬は?ご飯食べた?」

「まだ…」



作ってくるから寝ててと一言かけて背を向ける。



「葵郁、」

「ん?なに?」

「……なんでもあらへん」



呼び止められて振り向けば寂しそうな顔をした真ちゃん。多分、何か言いかけてやめたんだろうなってのは容易にわかって。



「心配しなくても帰らないよ」

「……」

「今日は1日真ちゃんの看病するって決めたから」



風邪ひくと誰でも寂しくなるっていうよね。



「ありがと」



その呟きを背後で聞きながら、部屋を出る。消化のいいもの…お粥でいいかなと早速準備を始めた。



「真ちゃん?」



できあがったお粥を持って寝室に来ればぐっすりと寝てる真ちゃん。きっと疲れが溜まってたんじゃないかなと思う。最近は季節の変わり目で寒くなってきたところだしね。



「綺麗な寝顔してんなー」



ファンのみんなから王子って呼ばれてるのもわかる気がして。やわらかそうな髪に手を伸ばして頭を撫でていれば、その腕を掴まれて。



「わ、起こしちゃった?」

「いま起きたで」

「そっか、あ!お粥食べるでしょ?」

「食べる」



お粥を温め直して食べてもらう。



「うまい」

「良かった」

「で、さっきなにしてたん?」

「…真ちゃんの寝顔を拝んでいました」

「やめてやー」



そんな普通の会話。顔色はさっきよりかは幾分か良くなってる。真ちゃん、はやく元気になってね。




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更新再開してから開く度に評価とお気に入りが増えてて……嬉しい!ありがとうございます!

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作者名:アオイ | 作成日時:2016年10月28日 1時

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