TGC Takahiro side ページ5
「どうしよ、緊張する…」
今日はTGC。俺たちAAAはゲストとして呼ばれているのだけど、葵郁だけはモデルとしてもランウェイを歩くことになってて。
「だって、ランウェイなんて久々だしさ。ライブとは違う緊張感が…」
さっきまで宇野ちゃんや千晃と一緒にモニターを見ながらキャーキャー言ってた葵郁が俺ら男子組の横にやってきた。
「いつも通りにやればいけんじゃね」
「いやいつも通りが通用する!?」
「まぁ、すげぇモデル揃ってるもんなー」
「さっき挨拶行ってきたけどね、本当に本当にオーラありすぎて手汗めっちゃでた(笑)」
「手汗(笑)」
「転けなければ大丈夫だって(笑)」
「やだ、フラグ立てないで!」
「葵郁は葵郁らしくでいいんじゃない?自信もって」
リーダーの一言でちょっと自信を持ったみたい。ちょうどスタッフさんから声がかかって。
「なんか普段の葵郁と違って俺ドキっとした(笑)」
そんな風に言うのもわかる。だって葵郁のメイク、いつもよりめっちゃ濃いから。ファッションショー仕様ってのは分かってるけど、見慣れないから変な感じだ。
「葵郁のやつ、ああ言ってたけど、いつも着てるブランドのトップバッターだぜ?」
「え、すげぇじゃん」
なんて。これって袖で見れねぇの?って言ってたら、日高がスタッフさんに掛け合ってくれて袖で見れることに。でも女子2人は準備があるからNGで。
「行こうぜ〜」
「は?ずるいし」
「私たちも近くで葵郁みたい!」
ブーブー言ってる女子を置いて袖へ。そこには緊張気味の葵郁が髪型や衣装など最終チェックをされていた。袖へとやってきた俺たちをみてびっくりしてたけど。
「宮津さんスタンバイお願いしまーす」
行ってくるね〜なんて俺たちに笑顔で敬礼のポーズをした葵郁に、俺も笑顔で返す。スタッフさんと歩いていくその背中を見送った。
「いま一瞬で雰囲気変わったな」
いよいよ葵郁の登場。スモークと共に現れた葵郁に会場は沸いて。かわいいとかきれいとかそんな言葉が飛んでる。
「あれほんとに葵郁?」
「すげぇ」
凛とした大人っぽい雰囲気で歩いていたと思えば、中央で飛びっきりの笑顔。格好よさも可愛さも合わさった服装だからこその表現力に俺たちは完全に魅せられていた。
「葵郁、あんな大人っぽい顔もできるんだな」
それは俺たちが知らなかった一面。
ゴキゲンな理由。Misako side→←素敵な始まり。Chiaki side
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作者名:アオイ | 作成日時:2016年10月28日 1時