good day ＊season3 (ページ30)

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「う゛」

「さみー」

無事にセドナ近辺のホテルに着いた私たち。現在夜明けの約１時間ちょい前。まだまだ空は真っ暗で。

「星が見えますっ」

「ちょっとだけね(笑)」

「さっみー」

「パーカー着たら？」

日中の気温はかなり上がるのに、いまは着込まないと寒いくらいで。私もたかくんもちょっぴり重装備。

「ほら、縮こまってないで行くよ！」

「なんでそんな元気なの葵郁」

「ん～なんでだろうね(笑)」

寝起き、テンションの低いたかくんと割とハイな私。私は自然とか星とか朝日とかそういうの結構好きだから、久々にちゃんと見れることが単純に嬉しいだけ。

「あおちゃん」

「なにー」

「引っ張って」

自分から動こうとしないたかくん。差し出された手にデジャヴを感じるも、その手をギュッと握って踏み出す足に力を入れた。

「ついた！」

絶景ポイントまで歩いてきてあとは夜明けを待つだけ。その場に座り込んだたかくんの隣に腰をおろせば、間髪入れずに触れ合ってる片方の肩の重みが増した。

「肩貸して？」

「いいよ」

「葵郁あったかくて落ち着くー…」

私の肩に頭を預けて目を閉じたたかくん。ずっと運転してくれてたし、なんだかんだでホテルにはいったのもギリギリであまり寝れてないから、疲れてるんだろうな。

「ありがとう」

そっと呟いたそれは風に乗って消える。スタッフさんも誰も喋らない心地のいい沈黙が少し続いた。それからしばらくすれば、東の空が明るくなってくる。

「たかくん、もうすぐだよ」

眠ってはいないだろうけど目を瞑って力を抜いてるたかくんの背をトントンと叩く。疲れてるところを申し訳ないけど、私がたかくんとこの景色を見たかった。

「少し曇ってるけど綺麗だよ」

「……眩しっ」

どんどん明るくなってきて周りの景色が鮮明になってくる。

「すげぇな」

「うん、綺麗。なんか神秘的」

持ってきたカメラでこの綺麗な景色を写す。空気も澄んでて、なんだか色んなことがリセットされたみたいに清々しい。

「葵郁」

「なに、」

「さみぃから離れんといて」

「私はカイロ？笑」

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閲覧、お気に入り、評価、ありがとうございます！

しかしまぁ、この話だけで10話以上(笑)
焦れったいなぁと書いてても思うのですが、楽しくてしょうがないです。

これからもよろしくお願い致します！