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▼ Takahiro side ページ29

「はい、たかくんジュース」

「サンキュ」



渋滞にハマってしまって数時間後。セドナにつく頃には暗くなってる時間、しかも天気は雨ということで仕方なく引き返してきたけども。やっぱり……となり。



「次来るってもいつになるか分かんないし」



道路状況や天気を見ながらスタッフさんと話し合った結果は、夕日から朝日に変更するプランだった。せっかく半分以上来たし、運良く朝日見れたらいいかなーってくらいで。



「あとどんくらいでセドナ?」

「ここからだと250キロくらい…かな」

「結構あるな〜」

「私、運転替わろうか?」

「ん〜大丈夫」



休憩もほどほどにしないと朝日すら危ういけどね(笑)さて、行くかって再び出発。



「俺さ、ほんといまラスベガス来れて良かったわ」



ふと思いついた仕事のことを葵郁に話せば話は止まらなくて。ショーを見たばかりだし、俺も葵郁もアイディアや想像は膨らんでるみたい。



「ねぇ葵郁」

「んー?」



まだファンの子たちには発表できないけど、ラスベガスに行く少し前に決まった嬉しいニュース。葵郁はまるで自分のことのように喜んでくれた。



「ライブさ、葵郁ダンサーやってよ」

「え?」

「制作だけじゃなくて、演者として俺の隣で踊って?」



正直、CDの制作だってMVの構成や編集にしたって葵郁には頼りっきりだけど。葵郁が隣に居てくれれば俺は百人力なんだから。



「……私でいいの?」

「うん。葵郁でいいんじゃないよ。俺が、葵郁が良いの」



そう言えば葵郁はパッと笑顔になって。



「よろしくお願いします!」



いいもの作ろうね!!なんて、言ってる葵郁。ほんと葵郁が隣に居れば絶対大丈夫っていうのが俺にあって。まだ先の話だけど楽しみになった。



「わ、雷!?めっちゃ降ってきた」

「スコール?」

「だねぇ、さすがアメリカ」

「セドナに行っちゃ行けないのかなぁ(笑)」



時刻は日付も変わって深夜。セドナまではまだまだで。



「葵郁、眠たかったら寝てていいからね」

「んー大丈夫、眠くないし。起きてるよ」



なんて、ちょっぴり欠伸を噛み殺しながら言ってるから。俺に気を使ってくれてんだろうなって。



「わっちょ、」

「……」

「なにー」

「ぷっ(笑)髪ボサボサ(笑)」

「誰のせいだこら」



別に俺たちの間に気を使う必要なんてないのに。でも嬉しいから片手でワシャーって髪ボサボサにしてやった(笑)

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作者名:アオイ | 作成日時:2016年10月28日 1時

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