good day ＊season3 (ページ28)

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KISS＆DIVE ページ28

「おはようございま～す」

今日は朝から車を借りて、遠出。ラスベガスからセドナへ、夕日を見に向かいます。日本で言うとね、東京から名古屋をちょっと越したくらいの距離。ということでまずは朝ご飯を食べまして。

「……あれか！笑」

「あ、ナンバー241だよ(笑)」

「なんか無理矢理感半端なっ(笑)」

なんて言いながらもテンション高そうなたかくん。たぶん、車がカマロってのもあるんだろうなぁ。きちんと車の点検をして。

「はい、葵郁は助手席ね」

「ありがとう～」

なんて助手席のドアを開けてくれるたかくんは紳士的だ。オープンカーなんて乗るのはじめて。

「おしゃ、じゃあしゅっぱーつ」

いいお天気のなかセドナに向けて出発。たかくんが運転する車に乗るのなんて、はじめてではないのにカメラが回ってるからかちょっと緊張。

「葵郁、なに固まってるの(笑)」

「いや、うん、なんでもないよ」

「長旅なんだから、力抜かないと疲れるよ(笑)」

「わかってるー…」

ああ。運転してる仕草が、横顔がかっこいい。なんて思ってしまったり。

「寒くない？」

「うん、ちょうどいい感じ」

「でも、もうすぐ砂漠地帯入るからしめるな」

「はーい」

オープンカーだから、走ってると風が直に伝わってきて髪や服をはためかせる。空を見上げれば快晴で。このまま順調にいけばいい感じの夕日が見れるんじゃないかって期待。

「葵郁セレクトでいいからなんか音楽かけていいよ～」

なんて言うから、音楽プレイヤーを繋いで何がいい？なんて。もうこの際ＡＡＡでいっか(笑)

「自分たちのかけちゃうね(笑)」

「じゃあ、歌っちゃおう」

なんて、自分たちのパートを歌いながら進行中(笑)

「えっ……」

「どした？」

「この先渋滞してるらしい」

「まじか」

「しかも、セドナのお天気ちょっと微妙かも」

「うそん」

携帯でちょっと調べて見れば、なかなか順調にはいきそうにない状態で。迂回ルートも調べるけど、アメリカって荒野はほぼ一本道だから迂回ルートはほぼないに等しい。

「渋滞で～す、あおちゃん」

「迂回ルート見つけれませんでした、たかくん」

窓から前をのぞき込めばズラーッと並ぶ車の列。待ってみるものの、動く気配はなく。

「セドナにつく頃には、暗いんじゃないかな(笑)」

「あらら」